2024年04月19日( 金 )

「二大政党制」の幻想に溺れた民進党

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、「政権交代可能な二大政党制」という虚構と、そのぬるま湯につかる民進党を厳しく指弾した、4月15日付の記事を紹介する。


森友の疑惑は何ひとつ解消していない。
桜を見る余裕があるなら、国民にきちんと説明するべきだ。自民党の石破茂氏も「首相夫人がきちんと真実を述べる場をつくらないといけない」と発言している。安倍首相は正々堂々とした行動を取るべきである。
安倍首相は2月17日の衆議院予算委員会で、「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」と明言している。

2度もこの発言を繰り返した。しかし、その後に明らかになったことは、昭恵夫人が森友学園の土地取得等の問題に深く関与したことを示唆する事実である。この疑惑を払拭できなければ、安倍首相は辞任するしか道がない。

言葉に対する責任を持つ。
これは首相として当然のことだ。果たすべき説明責任も果たさずに、首相の椅子にしがみつく醜態を晒すことこそ、教育上の悪影響が計り知れないものである。安倍首相がもし本当に教育を重要だと考えるなら、まずは、我が身の行動を見つめ直すことが必要である。

問題の本質は、首相および首相夫人が関与して、国有財産が法外に低い価格で一事業者に払い下げられたという点にあり、「政治の腐敗」そのものを意味する重大事案である。野党は、安倍首相が辞任することを明言している以上、責任ある追及の姿勢を貫くべきである。
衆院の厚生労働委員会で柚木議員が安倍首相に森友問題について質したところ、与党が審議を打ち切って採決を強行した。国会運営まで狂気の沙汰に堕ちているのが、いまの日本の実情である。
テレビの報道番組はこの重要事実を伝えず、民進党の国会対策担当者は、何事もなかったかのように、共謀罪創設等の法案審議に応じている。安倍首相夫妻の責任が重大であるが、これと匹敵する重大な責任を負うのが野党民進党の対応である。野党民進党は安倍首相が解散総選挙に打って出ることを恐れて、森友問題の追及をしないのだと見られている。この意味では、野党民進党の堕落が安倍暴政の跳梁跋扈をもたらす原因になっていると言わざるを得ない。

民進党から長島昭久議員が離脱し、細野豪志氏が代表代行を辞任した。他方で、東京都知事の小池百合子氏が国政新党を結成する構えを示している。これらの背景にあるのが、「二党独裁」の謀略であると考える。

拙著『「国富」喪失』(詩想社新書)の第3章「国富を守るためにいま、なすべきこと」に、「日本政治を死に至らしめる二党独裁」と題して、以下のように記述した。「究極の狙いは現在の自民勢力と第二自民勢力によって日本政界の中核を占有してしまうことである。第一自民と第二自民とによる二大政党体制が構築されれば既得権勢力にとっては、どちらに転んでも何の痛みも生じないことになる。米国の共和・民主二大政党体制は、その究極の姿である。米国を支配する支配者勢力は共和党と民主党の双方を支配下に置いている。したがって、どちらに転んでも米国支配者による支配構造は変化しない。」

自公という大きな塊の一方に、小池新党と民進党の隠れ自公派を束ねた、もう一つの大きな塊を創設する。この二つの勢力で日本政治を支配してしまおうとする策略が確実に進行しているのだ。

拙著『「国富」喪失』は刊行開始と同時に重版が決まった。4月16日付東京新聞、および、4月19日付朝日新聞に広告が掲載されることになっている。
読者のみなさまに心から感謝申し上げたい。
安倍暴政によって、日本の主権者の富と利益が喪われてゆく。この現実を知り、その上で、現状を打破する方策を構築しなければ手遅れになる。

拙著には、その方策を詳しく記述した。
ぜひご高覧を賜りたい。

※続きは4月15日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1717号「仏大統領選急伸メランション候補の至言」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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