2024年04月19日( 金 )

高い技術力が生む画期的なシール・ラベルで、顧客の課題解決に貢献するオンリーワン企業

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(株)マツザキ

(株)マツザキ 濱崎 順一 代表取締役社長

 台紙が不要の「ゴミスリムラベル」や情報保護シール「移るんです」など、数々の独創的なシール・ラベル製品の製造・販売を手がける(株)マツザキ。福岡市東区に本社を置く同社は、これまでその高い技術力をもって顧客の要望に応えた数々の商品を開発し、世に送り出してきた。

 同社の契機となったのは、今から遡ること約20年前に行った「ゴミスリムラベル」の開発だった。当時、福岡市のゴミ出しルールが変更され、半透明の指定袋でのゴミ出しが義務付けられた。同社ではそれを機に、指定袋以外でごみを出した場合に貼られる警告ラベルを提案。だが、ゴミ警告のためのラベルでありながら、新たに台紙ゴミが出てしまうようでは意味がない。そこで、1年半におよぶ試行錯誤の末、塗工機メーカーと共同で専用機械を開発。そうして誕生した画期的な商品が、台紙不要の「ゴミスリムラベル」だった。
 「ゴミスリムラベル」は、1枚の台紙に何枚ものラベルを重ねる「積層タイプ」と、ラベルの束をロール状につなぐことで台紙を不要とした「ロールタイプ」の2種を開発。製造過程でもゴミの削減に努めるとともに、無害で耐熱性、対候性に優れた無溶剤熱硬化型シリコーンを使用するなど環境負荷の面でも配慮している。同商品は自治体の間でもまたたく間に注目を集め、当時、全国にあった約3,000の自治体のうち、3分の1にあたる1,000近くもの自治体から引き合いがあったほど。そうした数多の需要に対応するため、同社では専用の第2工場を開設するまでになった。また同時期に、同商品の特許も取得している。

これまでに数々のシール・ラベル製品を開発

 同社ではその後も数々の商品開発とともに、多くの特許を取得。そうしたなか、ゴミスリムラベルに次いで誕生した画期的な商品が、剥がしても貼った跡が残る情報保護シール「移るんです」だ。同商品は、一度貼り付けてから剥がすと、シール部分の文字や印刷が崩れ、その後に貼り直そうとしても、印刷部に濃淡ができ、剥がした痕跡が残るというもの。内容物の改ざん防止や開封確認などで役立つ、いわば現代風にアレンジされた“封蝋”のような商品だ。こちらも、商品誕生までには数多の試行錯誤があったものの、その甲斐あって、今では食品や医薬、金融系などの幅広い企業・業種で使用され、開封防止や中身抜き取り防止に役立っている。

 ほかにも同社ではこれまでに、PET素材を活用してスイング性に優れた三次元POP「MFポップラベル」や、小ロットでのオリジナル印刷や型抜きに対応したオリジナルマスキングテープ、オリジナルシール・ラベルなど、多種多様な商品を開発し、世に送り出してきた。また、顧客の納期要望に対応できる生産体制の構築のために、2014年には朝倉に第3工場も開設している。

 そんな同社が現在、新たに力を入れているのが、スウェーデンのローリング・オプティクス社と契約して開発した「光学3Dラベル」だ。これは、プラスチックフィルムに特別な微小光学特徴を持たせることで、平面でありながら、人の目には奥行や立体感が感じられるもの。偽造が不可能な技術が使われており、商品の真贋判定のほか、ブランドイメージの向上にも効果を発揮し、今後はさまざまな場面での使用が見込まれる。

 これまでにさまざまな商品開発で、顧客の要望に応えてきた同社。そこにあるのは、シール・ラベルを通じて「良いモノをより良い商品に変えていく」――という、同社の優れた技術力でもって顧客の悩みを解決し、喜びへとつなげていきたいという想いだ。
 同社代表取締役社長の濱崎順一氏は、「弊社には多くの相談が寄せられますが、『マツザキに相談すれば、必ず応えてくれる』――というようなお客さまの信頼を裏切ることはできません。これからも、新たな商品開発はもちろん、検品・検証などにも力を入れ、迅速かつ確実な商品提供を行うことで、お客さまの信頼に応えていきたいと思います。この地道な努力の先に、弊社の未来があると信じています」と語る。

 今後は、シール・ラベルのみならず、接着剤分野にも進出して注力していきたいという同社。これからもその高い技術力で数々の新商品を世に送り出し、「良いモノをより良い商品に変えていく」ための力になっていくだろう。

【坂田 憲治】

<COMPANY INFORMATION>
(株)マツザキ
代 表:濱崎 順一
所在地:福岡市東区松島3-24-22
設 立:1978年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-622-1231
URL:http://www.matsuzaki-l.co.jp/​

 

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