2024年04月25日( 木 )

原中誠志県議、念願の厚生労働環境委員長に就任~福岡県議会

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「オール福岡」の視点で環境問題に取り組む

原中 誠志 県議

 22日、福岡県議会の5月臨時会が開会され、正・副議長、各常任委員会の正・副委員長が選任され、民進党県政クラブの原中誠志県議(福岡市中央区選出、現在2期)が、厚生労働環境委員会の委員長に就任。2011年4月の初当選以来、「オール福岡の視点」を政治理念に掲げ、福岡市のごみや産業廃棄物の処理など環境問題に熱心に取り組んできた原中県議は、念願ともいえる同委員長のポストに就き、「福岡県の発展、県民の幸せの向上のため、一所懸命に任を果たします」と決意を表明した。

 原中県議が政治の道を志した原点には、福岡県飯塚市内住の産廃最終処分場の問題解決に取り組んだ経験がある。「内住の処分場は『安定型最終処分場』であり、埋め立て許可されているのは安定5品目だけです。すなわち廃プラ、ゴムくず、金属くず、ガラス・コンクリート・陶磁器くず、がれき類であり、寒暖、雪雨露、日射などを受けても形態が変化せず、有害物質を出さないモノと規定されています。

 ところが、同処分場から、頭痛や吐き気をもよおす悪臭が発生し、真っ黒の汚水が大量に直下の河川に排出される事態が起こりました。01年8月14日、周辺住民はあまりの悪臭と、汚濁した河川を問題視し、嘉穂保健所(当時)に事態を通報。同保健所の職員が立ち入り調査したところ、同処分場内には大量の産廃が捨てられており、その堆く積まれた産廃から汚水が流れ出、悪臭を発する素堀りの汚水池ができていました」(11年12月13日掲載の原中県議の寄稿より)

 この問題は、住民らが産廃の撤去などを求める裁判に発展。同処分場の処理業者が倒産したことで、産廃の撤去を誰が行うかが大きな争点になった。10年以上、この問題の解決に取り組んできた原中県議は、11年の6月定例会の一般質問で、地元住民らが県を相手に、産廃の撤去を求める全国初の「義務付け訴訟」を取り上げた。同年2月7日、福岡高裁の二審判決は、産廃の撤去など環境保全に必要な措置を講ずるよう業者に命じることを県に義務付けた。県側はこれを不服とし、上告をしたが、福岡県議会で県の上告取り下げを求める決議を全会一致で可決。原告・住民らの訴えを県議会が後押しした形だ。原中県議の訴えが大きく響いた。

 150万人が暮らす大都市・福岡市のごみや産業廃棄物の処理は、「住みやすいまち・福岡」を維持するために決して軽視できない問題である。「田舎の自然を壊してしまっては、都市の快適な生活はできません。田舎でこそ、私たちの生活、生命を支える水がつくられ、空気がつくられ、食べ物がつくられているからです。飯塚市内住の産廃問題は、都市と地方を考えるうえでの象徴的な事例であり、この問題の結末にこそ、私たちの未来が暗示されていると思えます」(原中県議)。厚生労働環境委員長としての一層の活躍が期待される。

【山下 康太】

 

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