2024年04月24日( 水 )

マクドナルドを作ったのは誰か?~元セールスマンが築いたハンバーガー帝国の裏側

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 てっきり、成功の種を「見つけた(Found)」人だからFounderだと思っていたら、「底に送る」とか「根底」が語源にあるんだそうです、「Found」って。基礎を作ったってことで「創業者」という意味なんですね、なるほど。

 現在公開中の映画「ファウンダー~ハンバーガー帝国のヒミツ」を観てきました。Theアメリカ的食べ物であるハンバーガーを普及させ、世界の隅々まで店舗展開するマクドナルドの創業者を描いた映画で、煽り文句は「(誰もが知っているマクドナルドの)誰も知らない誕生のウラが暴かれる!」。
 誰も知らない誕生のウラ、って何でしょうか。結論からいうと、マクドナルドというブランドを作った人と、企業としてのマクドナルドを育てた人は別だっていうことなんです。しかも、両者は最終的に決裂します。

 創業したのは、その名の通りマクドナルド兄弟ですが、マクドナルド兄弟が作り上げたハンバーガーショップ経営の優れたノウハウをフランチャイズ化して普及させ、ナショナルブランドまで育てたのは、レイ・クロックというスラブ系の名前を持つ元セールスマンなんだそうです。
 クロック氏は、「自己啓発レコード」を聴いて自身を鼓舞しながら、「いつかは成功を掴む」と信じる、単純だがバイタリティーの塊のような男。広大なアメリカ大陸の各地に、国盗りゲームのようにマクドナルドを次々と進出させ、ハンバーガー帝国の完成を急ぎます。
 しかし、その前に立ちはだかったのはマクドナルド兄弟でした。「良質」なハンバーガーを「早く」お客さんに届けることだけが、自分たちの使命だと信じるマクドナルド兄弟は、質やこだわりよりも、販路(シェア)拡大だけを至上命題とするクロック氏に、提携解消を迫ります。

 両者の激突は、最終的には「マクドナルド」という名前をめぐる争いに行きつきます。なぜクロック氏は「マクドナルド」という名前にこだわったのか。映画評論家の町山智浩氏も指摘していますが、非常にアメリカ的なその理由を、ぜひ映画館で確かめてください。

 経営者のみなさんには、とくに、
 (1)優れたビジネスモデルは、発想の転換で生まれる
 (2)粘り強い根気こそが成功に導く

 この2つをテーマに観てほしいですね。ヒントは、「不動産」です。

【小山田 浩介】

原題:The Founder 福岡では、KBCシネマで9月1日(金)まで上映中。

▼関連リンク
・KBCシネマ
・映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』​

 

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