2024年04月26日( 金 )

太宰府市長辞職を否定、議会側と全面対決へ

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芦刈 茂 市長

 市政の混乱が続く福岡県太宰府市議会で26日、既報の通り芦刈茂市長に対する辞職勧告決議案が可決した。

 決議案は「(提出された機構改革案などの)市長原案は、市長自らの安易な思い付きであり、熟慮に欠けた、独りよがりの提案ばかり」「口先だけの反省で、職員に謙虚に歩み寄ろうという姿勢もなく、副市長を解任したことは許し難く、この結果、市政の混乱を招いている市長の責任は極めて重い 」と市長を批判。質疑では「市政の混乱の責任は市長1人だけにあるものではない」という意見もあったが、賛成多数で可決した。

 この日の定例会は、辞職勧告決議以外にも市長にとって大変厳しい内容となった。一連の問題に対する責任として市長の給与を減額する条例案は「責任を取るというのであれば、この額では済まない」などの理由で否決。一般会計補正予算案は、市長が追加提案した学校給食専門委員と行政改革推進委員の報酬費などを削除した修正案が可決された。

 8月に解職された副市長の後任案については、「定例会最終日になっての提案で同意を求められても、この候補者の方が副市長に適任かどうか判断できない」「自分の言うことを聞かなかったら、またクビにするのか」などの意見があり、不同意となった。

 閉会後、芦刈市長は議会側から辞職勧告決議に対する意思確認を受け、「辞職する気はない。市政を混乱させていることに対して反省する点はあるが、粛々と市長の職務を遂行していきたい」と述べたという。

 NetIB-Newsの取材に対し、ある議員は「市長の『辞職する気はない』という意思を確認したので、なるべく早い時期に臨時議会を招集して不信任決議案を提出したい」と語った。

 市長と議会の対立がより鮮明となった太宰府市。しかし、その一方で市民からはこんな声も挙がっている。
 「芦刈市長は、市長選で勝ちはしたが300票程度の僅差だった。市役所内や市議のなかに芦刈市長の方針に従わない人がいて改革が進まないのは事実だろう。だが、市政が自分の思い通りにいかないことを公然と発言するのは市長の器ではない。そこはリーダーシップを発揮して推進してもらわないと。近くの大野城市や春日市はどんどん発展しているでしょう。全国的に名前は有名だが、太宰府は天満宮以外は前の市長のときからずっと停滞している」。
 選挙戦が始まることが確定的となったいま、市長、議会ともに最初にすべきことは、市議会の混乱から置き去りにされた市民への説明会を開くことだろう。

 

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