2024年03月29日( 金 )

立共社共闘を自公に対峙する二大勢力一翼に育てる

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回の総選挙にを契機に、護憲・平和勢力を結集して自公に対する一大勢力を築くべきと説く10月12日付の記事を紹介する。


報道各社の総選挙序盤情勢が報道されている。この報道は投票行動を誘導するために用いられている。極端に偏った情勢を印象付けると、この傾向が増幅される。
流れに乗ろうとする「勝ち馬に乗ろうとする行動」と、流れが考えにそぐわず、「選挙に行くことをやめる行動」の二つが助長されるのである。
対立陣営の伯仲を報道すると、二つの勢力のいずれも投票行動を積極化させる。追加的な行動により、自己が望む傾向を強められると判断するからだ。

最近の選挙では、安倍自公勢力が勝利するための情報誘導が行われている可能性が高い。この情報誘導に乗らない対応が必要である。

この選挙を攪乱したのは希望の党である。
希望の党が「安倍一強打破」の一点に焦点を絞り、反安倍陣営の広い結集を図っていれば、まったく異なる方向に推移したはずである。「反安倍陣営」の呉越同舟状況が生まれて安倍政治に終止符が打たれていたと考えられる。

しかし、小池希望の党がその行動の途上から正体を現し始めた。戦争法制肯定を入党条件に設定したことから、小池希望の党が維新とまったく同類の自公補完勢力であるとの位置づけが鮮明になってしまったのである。
小池新党を創設した勢力は、日本に自公と第二自公の二大政党体制を構築しようとしているのであり、反安倍陣営が「呉越同舟」状況になると、その方向性が不明確になることを恐れて、戦争法制肯定という踏み絵を実施したのかも知れない。

希望の党のこの行動を契機に希望の党への支持が急落した。
他方、この行為が引き金となって立憲民主党が創設された。この立憲民主党は希望の党を最終的に凌駕することになるだろう。主権者国民の多数が「安倍政治を許さない!」との判断を有しており、その主権者がこれまでの民進党を支えてきた。
しかし、民進党の政策方針は定まらず、半分与党、半分野党の、いわゆる「ゆ党」の状況を続けてきた。
そのあいまいさが、民進党に対する支持が凋落してきた主因であるが、今回の一連の変動により、この民進党が「隠れ与党」勢力と「野党勢力」に分離、分割される可能性が高まり、本来の民進党支持者が立憲民主党支持を鮮明に示し始めているからである。

本来、民進党は反安倍自公政治の方針を鮮明に示し、共産党、社民党と強固な共闘体制を構築するべきであった。

今回の総選挙に際して、反安倍自公政治の方向を明確にした民進党が、共産党、社民党と強固な共闘体制を構築し、289の小選挙区のすべてで野党統一候補を擁立し、できれば比例代表選挙も統一名簿で臨んでいれば、安倍自公に対抗する二大勢力の一翼を担うことが可能であったと思われる。

しかし、前原誠司氏は共産党と社民党を切り棄てて、同時に戦争法制廃止の基本方針を一切の民主的な手続きを経ずに放棄して、戦争法制肯定を前提とする小池希望の党との合流に突き進んだ。しかしながら、小池国政新党は自民党小池派に過ぎないとの地金が現れるに連れて小池希望の党に対する期待が急速にしぼんだ。

また、希望に合流した民進党候補者に対しては、戦争法制廃止というこれまでの野党共闘の根幹をいともあっさりと捨て去ったことに対する批判と失望が急激に沸き上がったのである。

※続きは10月12日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1868号「立共社共闘を自公に対峙する二大勢力一翼に育てる」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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