2024年04月25日( 木 )

各界のトップランナー、石井幸孝氏を語る

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 今年10月で85歳を迎えた、九州旅客鉄道(株)(JR九州)の初代社長・石井幸孝氏。本業の鉄道以外でも、福岡城市民の会の理事長や(公社)福岡県サッカー協会の会長を務め、文化・スポーツの分野でも福岡に多大な貢献を納めている。今また、石井氏は、新たなステージに立ち、JR7社のオールジャパン体制づくりに邁進している。

陰ひなたがなく、常に本気の人
ドーンデザイン研究所 代表取締役社長 水戸岡 鋭治 氏

 石井さんとは、海の中道ホテルの完成祝賀会でお会いしたのが最初です。鉄道のことをまったく知らない私に車両のデザインを依頼され、戸惑う私に「何も知らないからいいんだ」と言って私の不安を鎮めてくださいました。それでもはやり、鉄道の素人です。石井さんはじめ、専門家の方々から鉄道の基礎、心構えを一から教えてもらいました。石井さんとの出会いがなければ、鉄道界に私の存在はなかった。それほどの恩人です。

 石井さんは、陰ひなたがない人で、とても勤勉な日本人です。哲学、歴史学、経済学などさまざまな分野に精通しておられ、しかもバランスが良い珍しい方だと思います。揺るがない哲学と価値観、理想をもっておられ、それがブレることはありません。これをやると決めたら、やり抜く方です。常に本気でもっているものは全部出してこられます。中途半端なことは絶対にされない。ですから、私を含め周りの人も本気になって全力で取り組むようになります。そういう人を巻き込む力をもっていらっしゃるようです。

 JR九州は石井さんがさまざまな事業を企画され、それが確実に花開いています。海外航路などは無謀だという声もありましたが、今では大きな事業に成長しています。石井さんのDNAは今も社員の方々受け継がれていると感じます。
 やりたいことを幾つももっておられる方ですから、今まで通りやり抜いていただきたいですね。鉄道を始め、いろいろなことに石井さんの力がますます必要な時代です。いつまでも青年のように夢を追いかけ実現して、若い人たちに夢やロマン、希望を与えていただきたいと願っています。


福岡にとってなくてはならない人
シーエススチール(株) 代表取締役 松原 照明 氏

 石井さんはJR九州初代社長としてさまざまな事業を成功させ、発展の基礎を築かれました。そのなかで思い出深いのが、赤字が続いていた国内航路と釜山間の国際航路を二者択一で廃止しなければならない経営判断を迫られた時のことです。石井さんは、国内航路を廃止し、赤字が多い国際航路を残されました。日韓親善や来るFIFA2002年ワールドカップなどを視野に入れた決断でした。この決断には多くの方が反対したそうですが、その後の海外航路の成功はご承知の通りです。この英断は、日本と韓国に経済、文化、政治で友好を育むにおいても重要な有形無形の財産となりました。

 02年の春、石井さんが福岡市長選への出馬を表明されました。日ごろの御恩に少しでも報いるため何か応援できないかと考え、石井さんと他の立候補者との公開討論を企画しました。ノウハウはありませんし、準備など時間がないから無理だと言われましたが、諦めずに何とか開催することができました。候補者のスケジュールも調整し、全員に参加していただきました。会場は参加者でいっぱいでした。1%の可能性があれば、実行・決断する大事さを経験しました。石井さんの応援で始めたものでしたが、大切なことを学ぶ機会にもなりました。
 また、15年には秋の叙勲を受章されました。大先輩からのアドバイスをいただき、開催実行委員会を組織し石井さんの受賞パーティーを開くことになりました。ホテルオークラで九州各地から政財界の方々400名が出席され盛大にお祝いすることができました。

 石井さんは福岡にとってなくてはならない方です。私にとっては、ご縁をいただきお付き合いができたことは、大変光栄なことです。


 

 

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