2024年04月20日( 土 )

日本政治を草の根民主主義で変革する

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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、イタリア政界で大きな力を得た市民運動「5つ星運動」から学ぶ草の根民主主義について述べた、11月29日付の記事を紹介する。

11月28日(火)、参議院議員会館講堂で、イタリア「5つ星運動」リーダーのリカルド・フラカーロ・イタリア下院議員による市民との対話集会が開催された。3時間にわたる講演と質疑応答が満席の聴衆とともに熱気あふれるなかで進められた。
極めてハードなスケジュールでのイベント出演を快諾くださったフラカーロ氏一行のご厚意、ご尽力に心より感謝申し上げたい。また、すばらしい通訳をして下さった通訳者ならびにイベントを企画、実行くださった実行委員会のみなさまに心よりの敬意を感謝の意を表したい。

対話集会は、フラカーロ氏による講演の第一部と、フラカーロ氏に対する質疑の第二部の編成で実施された。イタリアの5つ星運動は始動から8年で、国政掌握を視野に入れるところにまで成長している。
彼らは、水資源、持続可能な交通、環境、インターネット、持続可能な成長の5つを課題に掲げている。
5つ星運動は、既存の政治勢力、政党と距離を置いているところに大きな特徴がある。その出発点は、地域の問題を地域の主権者が考えるということだった。地域の問題点を洗い出し、その解決策を探った。その解決策を政治勢力に提示したが、彼らは、地域住民の提案に正面から向き合うことをしなかった。
この現実に直面して彼らは行動を変えた。自分たちのことは自分たちで決める。この行動をスタートさせたのだ。
5つ星運動が重視するのは、直接民主制の導入だ。現代国家では、間接民主主義が主流になっている。政治家が上から目線でものごとを決める。しかし、彼らは主権者である国民に雇われている代理人に過ぎない。雇われている者が上からものを決めて、雇っている国民がそれに従属するのはおかしいのではないか。
政治の主人公、主権者は市民であり、市民が政治を支配することが必要なのではないか。そのことを、より明確に実現できるのが直接民主制である。そして、市民のなかから、政治に直接携わる議員を生み出してゆく。
その議員は決して特権階級の者ではない。政治の主人公、主権者である市民が、市民のなかから政治に携わる議員を輩出する。そして、その議員が受け取る報酬は、普通の労働者と同じ水準にする。また、議員は2期を限度として多選を許さない。つまり、特権的な、上位に位置する職業としての政治家を生み出さないのだ。

※続きは11月29日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1907回「日本政治を草の根民主主義で変革する」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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