2024年04月19日( 金 )

間近に迫る自動車革命 自動走行車から空飛ぶ無人タクシーまで

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年1月26日付の記事を紹介する。


 無人運転の自動車から空飛ぶ車まで、自動車の歴史は大きく変わりつつある。Googleの創業者ラリー・ページ氏は空飛ぶ自動車の開発に情熱と資金を投入しており、同氏が支援するベンチャー企業キティホークは商業化を目指し、試作機の改良に邁進している。ページ氏曰く「自宅の裏庭に留めた空飛ぶ自動車に乗って好きな所に自由に移動できる日も近い」。

 この分野にはキティホークのようなシリコンバレーのベンチャー企業に加え、フランスのエアバス社のような大手飛行機メーカーも参入している。また、中東ドバイの政府は中国のEハン社と提携し、空飛ぶ無人タクシーの営業を開始する準備を完了させたと発表。この分野での中国の技術的躍進は目覚ましい。

 何しろ近年の中国における急速な経済発展ぶりは凄まじい。その一方で、自動車公害や慢性的な交通渋滞は悩みのタネだ。これは地元の中国人も同様で、高速鉄道や地下鉄は普及しているものの、ステータス・シンボルでもある自動車は増加の一途をたどっている。何とか一日も早く交通マヒのイライラから解放されたいと、誰もが願っているに違いない。

 とはいえ、こうした渋滞問題は中国に限ったことではない。東京始め世界の大都市はどこでも人と車が増え過ぎて大変な状況だ。何しろ、現在、世界人口の54%が都市に集中しており、その率が2050年には70%に近づくというから、今後、ますます道路は混むことになるのは確実である。

 その結果、発生している経済的損失がどれくらいか想像してみたことはあるだろうか。実は、アメリカだけで年間1,600億ドルというから、日本円に直すと16兆円もドブに捨てていることになる。もったいない話だ。

 こうした状態を何とか解消し、新たなビジネスチャンスを生み出そうとする企業が続々と出てきた。先に述べたエアバス社では「空こそ解決の道!」というスローガンを掲げ、「空飛ぶ自動運転タクシー」を近く運行させると発表。現在、試作品を実験中であるが、安全性に関する国内法規をパスした国から順次、導入に踏み切るとのこと。

 実際、エアバス社ではシンガポールですでにドローンを使った宅配サービスの許可を得て、実験を繰り返しているわけで、手回しがいいといえるだろう。要は、航空機の製造で培った技術力を武器に新たなビジネスに参入する機会を虎視眈々と狙っているわけだ。

 このところ、利用者の増えているウーバーと同じように、「ゆくゆくは携帯電話で空飛ぶ自動タクシーを呼べるようにする」と鼻息が荒い。実はウーバーでは2016年から始めた無人走行車の実地試験のデータを集積しており、「あと10年もすれば、地上を走る車の大半は無人走行になる。その内5%をウーバーの利用者に取り込みたい」との計画を進めている。

 アメリカのNASAではドローンを始め各種の飛行物体(空飛ぶ車やタクシー)の利用に備えた航空管制システムの開発に3年前から着手している。2019年には実地での試験を開始するという。

 まだ準備の段階だが、東京オリンピックの開会式ではトヨタ自動車が開発中の「スカイドライブ」と呼ばれる「空飛ぶ自動車」が聖火台に火を灯すことで観客を驚かす計画も進んでいる。2020年には東京で多言語対応のロボットタクシーが間違いなく登場するはずだ。

※続きは1月26日のメルマガ版「間近に迫る自動車革命:自動走行車から空飛ぶ無人タクシーまで」で。


著者:浜田和幸
【Blog】http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki
【Homepage】http://www.hamadakazuyuki.com
【Facebook】https://www.facebook.com/Dr.hamadakazuyuki
【Twitter】https://twitter.com/hamada_kazuyuki

 

関連記事