2024年04月25日( 木 )

市場は黒田日銀総裁続投を評価せず~日経平均株価前日比▲137円94銭

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 安倍晋三首相は次期日本銀行総裁人事について、4月8日に5年間の任期満了を迎える黒田東彦総裁(73)を続投させる方針を決め、人事案を月内にも国会に提示することにしている。

 日銀総裁が5年の任期を超えて続投するのは異例。5年以上務めたのは第20代の山際正道氏(1956~64年)以来。次の5年を全うすれば、かつて「法王」と呼ばれた18代の一萬田尚登氏の8年6カ月を超えて最長となる。

 大規模な金融緩和策によって日本経済を回復させた手腕に対する安部首相の信頼は厚く、黒田氏の続投がアベノミクスの継続と市場の安定に不可欠と判断しての人事と思われる。

 また2%の物価目標を掲げた政府・日銀の政策協定も据え置き、引き続き円安・株高基調を維持する方針も明らかになった。

 12日のニューヨーク市場においてダウ平均株価が前日比+410.37ドルの2万4,601ドル27セントと大幅に反騰。それを受けて前場の日経平均株価は前日比+285.43円の2万1,668円05銭と大幅な上昇となった。

 しかし後場に入るとアメリカの長期金利上昇やインフレへの警戒感から値を崩し、結局終値は前日比▲137.94円の2万1,244円68銭と乱高下し、今日の取引を終えた。ドル円は108円前半。

 株式市場は日銀黒田総裁の続投方針を評価しなかったように見える。とくに金融機関にとっては厳しい状況の継続を意味する。そのため九州地銀の株価は低迷。ふくおかFGは前日比▲21円の560円(▲3.6%)。十八銀行は前日比▲8円の273円(▲2.8%)。九州FGは▲10円の605円(▲1.6%)。前日比プラスだったのは九州地銀8行(含むFG・FH)のうち宮崎銀行だけだった。

 明日以降、日経平均株価および九州地銀の株価はどのような動きを見せるのだろうか。当面目が離せない状況が続くことになりそうだ。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

※クリックで拡大

※クリックで拡大

 

関連記事