2024年03月29日( 金 )

福岡市の学校給食で明太子を初提供

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田島小学校の献立。※明太子は1人1つ

 福岡市は、3月1日の学校給食から明太子の提供を始めた。市によると、学校給食で明太子が取り入れられたのは初めてとのこと。明太子は小さなポリ袋入りで、内容量は10g。地場明太子製造メーカーの(株)やまやコミュニケーションズ(本社:福岡市東区、以下、やまや)が手がけた。

 1日は、福岡市城南区の田島小学校でやまやの社員らが給食を食べる前に児童に簡単な講義を行った。明太子の歴史や原材料のスケトウダラの卵などの話をし、子どもたちは熱心に話に聞き入っていた。今日の献立は「豆腐のチゲ風」「ひじきの炒め煮」「牛乳」に麦ご飯と明太子。「味はめちゃくちゃおいしい」と子どもたちの反応は良好。明太子を食べたのは初めての子どもも多く、貴重な機会となったようだ。同校の才守美穂校長は、「(明太子を)今まで食べたことがないという児童が多い。6年生でも2~3割は(明太子を)知らないとのこと。子どもたちにとっては、博多の食文化を知るうえで貴重な体験になったと思う」と、語った。

スケトウダラの模型などを使い、明太子の歴史の説明があった

 今回、明太子を提供したやまやによると、商品開発にはさまざまなハードルがあったとのこと。「子どもたちが食べられるよう辛くない唐辛子を使用し、着色料は使わず塩分を控え目にした。また、27品目のアレルゲンを除去し、醤油を使わない分、北海道産の昆布エキスで旨みを出すなどの工夫を行った」とやまやはコメント。開発期間に半年も要したそうだ。

 市は、かねてから学校給食で食育の観点から郷土食を取り入れているが、福岡を代表する食文化である明太子の導入の実現に向けて動いていた。福岡市学校給食公社の松本勉理事長は、「子どもたちが大きくなった時、どこかで『福岡の給食には明太子がある』ということを宣伝してほしい。これが郷土の自慢となり、福岡の名産品を広めることにもつながる」と、期待する。

 明太子はこの日、市内の小学校23校で約1万5,000食が提供された。なお、今後市全体で小学校144校、小中一貫校5校の計149校において、約85,000食が提供される

子どもたちはご飯を美味しそうにほおばっていた

【矢野 寛之】

 

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