2024年03月29日( 金 )

「脊振の自然に魅せられて」 『シロバナネコノメソウ』(白花猫の目草)ユキノシタ科

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 早春、渓谷ぞいの登山道は花の共演で賑やかです。1週間単位でいろいろな花が咲き、春の訪れを知らせてくれます。
 地味なネコノメソウもその類ですが、ネコノメソウのなかで華やかなのがシロバナネコノメソウです。背丈は5~10cm、花の大きさは5円玉ほどですが、白い花(実は萼〈がく〉)のうえに小さな紅い帽子をつけた雄シベが8本ついています。白と紅の共演が輝いて微笑んでいるように感じます。
 紅く、小さな雄シベの帽子は花粉を出すと黒紫色に変わります、白い萼のうえに赤い帽子の雄シベが輝いている時、最高に感動します。かわいい、紅い雄シベの帽子にピントを合わせてシャッターを切ります。私は花の撮影には手ブレを防ぐために三脚を立て、カメラはマクロレンズで接写をします。またシャッターぶれを防ぐためレリーズを使うさまにしています。私と花との対話の時間です。

 『花の命は短くて』という言葉がありますが、どの花も、ほぼ1週間で時期が過ぎてしまいます。毎年、冬場の気候次第で開花の時期がずれますので、「花の恋人」に会うには努力が要るのです。
 ネコノメソウの種類は日本では15種類、名前の由来は種が弾けたところが猫の目に似ているからだと植物図鑑にありました。
 今年、この花との対話には季節はずれの思わぬ雪に見舞われました。花もびっくりしたことでしょう。撮影しているそばで、雨に濡れたオオキツネカミソリの葉に山桜の花びらが白い化粧をしていました。山桜の花びらが舞う季節でもありました。

シロバナネコノメソウ 2018年4月9日撮影

オオキツネカミソリの若葉につく山桜の花びら

2018年4月9日記
池田 友行

 

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