2024年04月20日( 土 )

九州朝日放送(KBC)の恣意的編集で貶められた、橋本健・太宰府市議会議長

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

市民集会で不適切発言を謝罪する、橋本健議長

 前市長による副市長の解任と2度の不信任案、市長の失職などで混乱した太宰府市議会は、楠田大蔵新市長の誕生によって落ち着きを取り戻している。しかしそのなかで1人、一部市民からの理不尽な「糾弾」の矢面に立たされ続けている人物がいる。太宰府市議会の橋本健議長だ。
 
 橋本議長は1月28日の太宰府市長選の後に、当選した楠田市長に対する不適切な発言があったとして、市長選から2カ月以上経過した現在も釈明に追われている。既報の通り、2月8日に開かれた市民説明会では、100人を超える市民らから厳しい追及を受けていた。

 しかし、この橋本議長に対する批判はあきらかにいき過ぎであり、ある意味的外れだ。

 橋本議長に対する糾弾活動に火をつけたのは、九州朝日放送(KBC)が放映したニュース映像だった。映像では、選挙戦で議会が木村甚治前教育長を推していることなどを強調し、芦刈茂前市長が楠田候補の支援者集会に現れたことなどを取り上げて「議会vs前市長派候補」を印象付けた。
 その後の映像では、楠田氏勝利に対する橋本議長の「本音を言えば不信任案を出したい気持ち」とするコメントに、翌29日に初登庁した楠田新市長と橋本議長の挨拶の様子を続けた。そこでは、楠田新市長が両手で握手するのと対照的に、「記者に促されて」のテロップとともに片手で握手する議長の姿が放映された。

 たしかに、橋本議長の「不信任案」発言は市民の選択を否定するような印象を与えたことは間違いなく、批判されてしかるべきだろう。しかし楠田市長との握手は、実は足元のイスが邪魔になって近寄れなかったためにしかたなく片手で握手しただけの、いわば不可抗力によるもの。そのことはその場にいたKBCの記者もわかっていたはずだ。
 橋本議長はこの握手の段階で楠田市長に対して「不信任案」発言を謝罪し、市政正常化に向けて協力することで合意していた。それにもかかわらず2つの場面をつなげたことで、視聴者に誤解を与えたことはなかったか。「楠田氏vs抵抗勢力」といったわかりやすい構図を印象づけようとしただけではないのか。橋本議長が「恣意的編集だ」と憤るのも無理はない。

 この映像をきっかけに、「不信任案」発言に反発した一部市民が橋本議長をつるし上げる動きが始まった。特定少数の市民が執拗に繰り返す「言いがかり」じみた批判について、本来ならば「終わったこと」と一蹴すればよいところを、橋本議長は市民グループの求めに真摯に応じて、可能な限り市民集会に参加してお詫びを続けてきた。橋本議長は長年、青少年育成に関する活動を中心に地域のボランティア活動を続けてきたが、その活動にも支障が出ている。
 市民団体らは橋本議長の糾弾を、「議会の体質改善の一歩」と位置付けている。しかし、謝罪済みの失言や恣意的編集された映像をもとに議長への糾弾を続けることは「批判のための批判」であり、結局は正常化に向けて動き出した市政を停滞させるだけだ。

 

関連記事