2024年04月19日( 金 )

元市議経営の養豚場が汚水で飯塚川を汚染~福岡県が行政指導

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下流域住民から苦情も

 福岡県八女市上陽町で養豚場を経営する(有)プロジェクト・パークに対し、福岡県が、豚の尿などが含まれる汚水の処理について改善を求める指導を行ったことがわかった。

 同社については、環境省が定める排水基準を超える汚水を養豚場近くの飯塚川に流したとして、水質汚濁防止法違反の疑いで福岡県警が捜査中。4月24日には、同県警による家宅捜索が行われた。

 福岡県は5月1日から、この養豚場への立入調査を実施。福岡県環境部環境保全課によると、同社は、昨年の秋から、処理中の汚水の一部を週4~5日、夜間に1時間程度放出していたとし、「設備の老朽化で処理できなかった分を捨てた」と説明。ただし、昨年春ごろ、下流域の住民から八女市上陽支所に対し、「川が濁っている」といった苦情が寄せられていたという。

 福岡県は、県に届け出ている処理方法とは異なるやり方で処理されたとして、同社に対し、文書による改善指導を実施。県担当者は、「県の調査では、現在の水質は排水基準に適合しているが、引き続き監督を行う」と語る。

 届出の方法と異なるやり方で処理が行われていた場合、水質汚濁防止法第7条に抵触し、3カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に問われる。また、排水基準に適合しない汚水を排出した場合は、同法12条1項に問われ、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則規定が定められている。

 同社は、1996年設立。代表の井上壽義(いのうえ・ひさよし)氏は元地方議員。当初、旧上陽町の町議を務め、2006年に同町が八女市に編入したのち、八女市議を2期務めていた。

【山下 康太】

 

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