2024年04月26日( 金 )

首相虚偽答弁判明すれば政局は重大局面

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は加計学園問題の安倍政権の対応について言及した5月22日付の記事を紹介する。


安倍首相の虚偽答弁が明白になりつつある。愛媛県が5月21日、加計学園の獣医学部開設に関する新たな文書を参院予算委員会に提出した。このなかで、2015年3月に行われた加計学園と愛媛県の打ち合わせ内容が明らかになった。
愛媛県が提出した打ち合わせの内容を記録した文書によると、この打ち合わせで加計学園は、2015年2月25日に加計学園理事長・加計孝太郎氏と安倍首相が15分程度面会したとのことである。
加計氏は愛媛県今治市に設置予定の獣医学部で国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明した。これに対して、安倍首相は、「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と述べていたとされている。
安倍首相は2017年の国会答弁で、加計学園の今治市での獣医学部新設の意向を早い段階から知っていたことを明らかにしていた。
5月9日答弁では、「特区に申請した段階で、当局から説明を受けるわけで、当然、総理大臣として知りえた」。6月5日答弁では、「申請を今治市とともに出された段階で承知した」と述べている。
今治市が国家戦略特区を申請したのは2015年6月であることから、少なくとも2015年6月の段階で加計学園の意向を知っていたとの疑いが強く持たれている。
ところが、2017年7月24日の衆院予算委で突然、加計学園の意向を知ったのは、同学園が事業者に認定された今年1月20日だと答弁を修正した。

安倍首相は野党の追及に立ち往生して答弁を何度も中断したうえで、結局、
「知り得る立場にあったが、実際には認識しなかった」、
「申請を決定する段階(2017年1月20日)で承知をした」
と、従来の答弁を修正した。
安倍首相は加計学園の今治市での獣医学部新設の意向を早い段階から知っていたと答弁していたが、これを突然、昨年7月24日に、2017年1月に初めて知ったと修正したのである。
ところが、実際には、安倍首相が、やはり早い段階から加計学園の意向を知っていたことを裏付けるさまざまな「証拠」が明らかになっている。
新たに公表された愛媛県の資料は決定的証拠であるといえる。柳瀬唯夫首相秘書官(当時)は2015年3月から6月にかけて3回も首相官邸で加計学園の職員と面会している。
この面会を受けるかたちで2015年6月に今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請した。
その直前の2月25日に、安倍首相が加計学園の加計孝太郎理事長と面会していたことを愛媛県文書は明らかにしたのである。
公表されている首相動静には安倍首相と加計孝太郎氏との面会が記載されておらず、安倍首相サイドと加計孝太郎サイドは面会の事実を否定しているが、この説明を鵜呑みにはできない。首相動静には実際には面会をしているが掲載されないものが無数に存在する。
このことは安倍首相自身が国会答弁で明言している。

※続きは5月22日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第2045回「安倍首相が加計学園獣医学部新設を主導か」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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