2024年03月29日( 金 )

障がい者家族が実現できる 「上限なし」の新たな生活支援

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 福岡市の非営利法人が障がい者の生活支援に向けた新たな取り組みを始める。「障がい者生活支援金制度」を制定したのは(一社)障がい者の明日を考える会(所在地:福岡市東区)。

 「障害年金の1級でも月に10万円以下の支給となっており、障がい者の多くが何らかの経済的不安を抱えたまま生活している。障害年金のような公的年金のほかに、民間で年金制度を設立できないものか。」――そこで着目したのが、格安でのコピー機リースだった。

 同会が推奨するコピー機を導入すると、契約者が支払うリース料のなかから1台につき毎月1,000円が「特定」の障がい者の生活支援に回る。後述するが、この「特定」というのがミソだ。導入するオフィスなどにも大幅な経費削減のメリットがあり、従来のような単なる寄付行為というわけではない。支援する側にもメリットがある。

 さて、コピー機1台につき毎月1,000円が特定の障がい者の支援に回るというのが新しい考え方だ。障がい者の保護者が子の生活を支援するため、この制度を利用し、たとえば30件のリース契約を行ったとする。すると、毎月1,000円×30件=3万円が継続的に子の収入となり、第2の年金として生活を支援できるというもの。

 この制度では、障がい者本人が親族や知人、友人などに営業提案を行うことも可能。契約を取ることで生活支援が厚くなり、自らの努力で生活を改善することにもつながる。このように、これまでの「受け身」の扶助とは違う。支給される障害年金だけを生活に充てるのではなく、自らの努力で人生を切り拓くという側面も生まれる。

 「全国に普及させたい」という同会だが、取り組みはまだ始まったばかり。それでも、今までになかった新しい支援の形にかかる期待は大きい。

【東城 洋平】

▼関連リンク
・(一社)障がい者の明日を考える会

 

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