2024年04月25日( 木 )

年金データを中国企業へ再委託したSAY企画、6月5日の株主総会で解散

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 日本年金機構から委託されたデータ入力業務を無断で中国企業に再委託していた(株)SAY企画(本社:東京都豊島区、切田精一社長)は、6月5日の株主総会の決議で解散していた。

 同社の負債総額は約5億円(2017年3月期末時点)。しかし、日本年金機構が損害賠請求を起こしており、変動の可能性がある。

 SAY企画は、2003年8月に設立。データベース構築・入力業務などのシステム受託開発を手がけていた。日本年金機構や官公庁からの受注が全体の約9割を占め、15年3月期には約8億4,100万円の売上高を計上していた。
 しかし、18年2月、日本年金機構との契約に違反し、扶養親族等申告書の入力業務を中国の企業に再委託していたことが発覚したほか、多数の記入漏れなどにより年金受給者の源泉徴収額に相違が生じる事態となった。日本年金機構は、同年3月20日付で、内規に基づき停止措置としては最長となる同日から3年間の競争入札への参加を停止していた。

 日本年金機構は、データ入力業務の再委託について契約で禁じており、契約違反として現在2件の損害賠償請求訴訟を起こしている。1回目は18年4月20日、請求額約4,400万円。2回目は同月27日、請求額約1億5,700万円。合計約2億100万円の一部の4,100万円分については業務委託費と相殺し、実質請求額は約1億6,000万円となっている。今後も、金額を確定次第、随時訴訟を予定している。総額については、確定していない部分があるので、返答はできないとしている。

【内山 義之】

 

関連記事