2024年04月19日( 金 )

我が国の基幹産業を育成し、中小企業を活性化させる

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

富士経営グループ

血の通った経営指南

富士経営グループ 崎田 松男 代表

 福岡における企業再生のパイオニアとして知られる富士経営グループ。同社は設立以来、650社以上の企業再生を手がけてきた。地元・福岡の地で、中小企業の再生・発展など総合的な視野での支援を実施し、机上の空論は一切なしの“現場第一”の実践的な指南を行っている。

 代表の崎田松男氏は、「地球上の人々の安全・安心・安定の思想」の理念をもとに事業を展開。同社のエッセンスは、1989年から開催されている経営者養成講座「富士経営塾─TOP MANAGEMENT TRAINING(TMT)」で伝授しており、2017年4月時点で約500名の修了生を輩出している。修了生は、それぞれ経営者や経営幹部となって活躍している。また、14年2月から“よいひらめき”を生じさせる仕組みを学び、気づかせ、行動に移し、経営に生かして強い企業をつくるための講座「ひらめきアカデミー」を開催。受講者は第6期までの累計で約100名を数える。
 これらはすべて“一歩先の現場のコンサルティング”である。それは単なる経営コンサルティングではない。販売チャネルの構築まで含めたビジネスモデルの確立など、クライアントへ血の通ったコンサルティングを行っている。「現在、我が国には約260万社の中小企業が存在しています。そのうちの80%にあたる約200万社が赤字企業で、そのなかの10%が粉飾決算の企業です。この数値は経営者の才覚だけでなく、国の仕組みにも問題があります。真面目に汗水流している中小企業が正しく報われる社会になることこそ、国が今すぐに取り組まねばならない課題です」――これが崎田代表の設立以来の信念である。

 「崎田社長と富士経営のコンサルタントは、クライアントに対してキレイごとは一切なしで妥協しない。厳しい言葉で接する場合もあるが、最後まで共に歩んでくれる。苦戦する中小企業を何としても助け、健全化させようという意志と愛情を感じる」と、地場経営者らは異口同音に語る。

中小企業の“基幹産業”を生み出す

 崎田代表は、“今までにない”または“他者がやらない、着手していない”独自の視点―「イノベーション」こそ、中小企業が生き残り、進化していくために重要であると考える。「自社の事業を見直せば、必ず光るものがあります。そして“今までにない”“人がやらない”という視点で発想することです。それがイノベーション思考の企業経営の準備段階です。その発想の先には、必ず“お役に立つ”という思考が生まれてきます」(崎田代表)。

 イノベーションによる新たな取り組みの例として、崎田代表は15年10月に(一社)日本イノシカ6次産業化協会を設立した。同協会の活動内容は、「イノシシ・シカの被害から農作物・林業を守るため、イノシシ・シカの6次産業化を推進し、そのノウハウを全国に提供する」というもの。主な事業については、「農村や各自治体は、畑を荒らすイノシシとシカに苦慮しています。農業を守っていくために、自ら立ち上げました。イノシシ・シカを捕獲するだけでなく、加工、販売、流通という入口から出口までのスキームを確立し、事業化させています」と語る。同協会の取り組みはほんの一例。本来の自然の摂理を取り戻すことで、エサや肥料のコストをかけることなく、自然の環境のなかで農水産業の復権を行い、循環型の社会を形成して食物やエネルギーをつくり上げ、国力の強化につながる。
 また、「日本文化の体験を通じ、心の成長を促す」「幼少期から日本文化を体験し、伝承を促す」「抹茶・着物・茶器・和菓子などの伝承を促す」「日本人の長寿社会の文化的背景を海外に普及することを促す」「世界の人々に和の心を伝える」ことを目的とした(一社)日本文化伝承体験協会も設立。着物を身に着け、茶道の体験をしてもらうことなどを通して、日本の伝統文化を全世界の人々に知ってもらうための活動を行っている。外国人旅行客を対象に、長崎県の出島や福岡市内のホテルでのイベントなどを行ってきたが、今後もその活動は拡大していく予定だ。この活動では、製茶業、和家具製造、着物などの和装関連業が、それぞれの持ち味を生かしたかたちでビジネスモデルを構築している。「これらの業界は、現在厳しい状況にありますが、それぞれが素晴らしい特色を持っています。単独での販路拡大が難しければ、発想を転換し、それぞれの持ち味を束ねて、新たな市場をつくっていくという視点を持つことです」(崎田代表)。

 また、地方・地域で不可欠な産業を育成し、技能・技工・経営面をサポートする、(一社)日本ものづくり革新協会も設立。さらに、将来的に病院のベッド数が削減され、自宅で看護するケースが増えることを見越し、訪問看護の事業化を推進する団体、シングルマザーを支援する団体の設立準備も進めている。
 例に挙げた以外にも、建設業関連をはじめ、幅広い業界やジャンルで事業化を促進する団体を設立することを視野に入れている。「この手法は、今の日本の経済や社会動向に沿ったやり方です。時流とともに手法は変化・進化していきますが、中小企業が独自性を持って健全な経営を行うことで地域が活性化し、ひいては国家を支える源となっていくことが目標です」(崎田代表)。
 中小企業による基幹産業の創出を目指す。

【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
富士経営グループ
((株)富士経営、(株)富士マネージメントアカデミー、(株)富士情報デザイン、(株)富士投資育成、(株)富士エコ研究開発、(株)富士イノベーションセンター)

代 表:崎田 松男
所在地:福岡市中央区天神2-14-8
設 立:1976年10月
資本金:2億500万円
TEL:092-781-7300
URL:http://www.fujikeiei.net​

 

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事