2024年04月19日( 金 )

建設資格を取ろう!~「土木施工管理技士」編

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(株)建設技術者養成センター 坂口 智美 代表取締役

 「土木施工管理技士」とは、日本の施工管理技士国家資格のうちの1つで、土木工事を請け負う際の工事現場1カ所につき最低1人は必要とされ、現場では主任技術者や監理技術者として配置することができる資格です。主任技術者や監理技術者になると施工計画を作成し、工事中は工程・安全・品質の管理を行います。

 この資格を取るための国家試験は(一財)全国建設研修センターが実施しており、試験科目は、学科と実地の2科目です。学科は、一般土木、専門土木、法規、施工管理、ほかの択一問題。実地は経験記述、施工管理の記述問題。合格ラインは、学科・実地ともに60%以上で合格となります。実際の試験では、たとえば次のような問題が出題されます。

(例題)土質試験結果の活用に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

(1)土の含水比試験結果は、土の間隙中に含まれる水の質量と土粒子の質量の比で示され、乾燥密度と含水比の関係から盛土の締固めの管理に用いられる。

(2)粒度試験結果は、粒径加積曲線で示され、曲線の立っているような土は粒径の範囲が狭く、土の締固めでは締固め特性のよい土として判断される。

(3)一軸圧縮試験結果は、飽和した粘性土地盤の強度を求め、盛土および構造物の安定性の検討に用いられる。

(4)圧密試験結果は、飽和した粘性土地盤の沈下量ならびに沈下時間の推定に用いられる。

 正解は(2)です。土中にある、さまざまな大きさの土の粒子が土全体のなかで占める割合のことを粒度といい、その粒度を調べる粒度試験の結果から、粒径の分布(大きい粒~小さい粒子の広がり)状態を表したものを粒径加積曲線といいます。粒径範囲が狭い土は、粒子がそろっているため粒子の間に細かい粒子が入らず、締固めには悪い土と判断されます。そのため、(2)の「よい土」という判断は、間違っていることになります。

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 毎年の出題傾向を見ると、過去の問題に関連する問題も多く出題されています。そのため、受験対策として一番有効なのは、やはり過去問約7年分を繰り返し解くということ。それも暗記ではなく、理解しながら勉強をするためにも、自分に合った参考書を選ぶことが重要です。問題と見直しができる約30分程度の勉強を毎日行うことが、一発合格への近道になります。

2018年度 土木施工管理技士技術検定試験
1級願書受付:3月16日~30日
1級学科試験日:7月1日
2級願書受付:3月7日~22日
2級学科試験日:6月3日
2級学科・実地試験日:10月28日

<プロフィール>
坂口 智美(さかぐち・ともみ)
1972年生まれ、福岡県出身。学卒後、建設業界へ。建設従事者からの「国家資格は、独学ではなかなか合格できない」という声がきっかけとなり、2001年に工事監理技術者養成センターを大阪で設立。主に出張講習を全国展開し、14年には拠点を福岡(本社)と沖縄(営業所)に移し、社名を(株)建設技術者養成センターに変更。同センターは、生講義で行うことにこだわり、受講生の合格率は90%を超える。(株)建設技術者養成センター 代表取締役。

 

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