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不景気の嵐は宝石業界も襲うSEIKOジュエリー社撃沈 消費者離れ進む宝飾業界(2) |企業研究
特別取材
2008年4月 4日 09:42

成長株ナガホリにも陰り

 宝飾業界で日本を代表する企業の1社にまで成長した㈱ナガホリは、自社ブランド、デザイナーズブランド、海外ブランドなど総合的に宝石類を扱い、百貨店や専門店などへ卸・販売している上場企業である。同社はこれまで、営業力を武器に売上高を上伸させてきた。しかし宝石業界を襲う不景気風は同社のもとにも吹いており、03年3月期の190億4,400万円の売上高をピークに最近は下降傾向。今期売上高は172億円と漸落予想である。

 そうした状況のなか、セイコー社の廃業によって棚からぼたもち式にロイヤル・アッシャー・ダイアモンド(オランダ、以下ロイヤル社)という有名海外ブランド製品を扱えるようになった。同社は、オランダ王室が同国の宝飾業界で唯一認めた“ロイヤル”の称号を持つ宝石ブランドメーカーである。これまで、セイコー社の営業努力と販売店の力でロイヤル社の宝石を日本に浸透させてきたという経緯がある。ロイヤル社は、本格的に市場開拓するために日本法人をつくる計画を立てたが、これまでの日本代理店であったセイコー社が廃業することにより、ナガホリと合弁企業を設立する運びになった。

 その結果、ロイヤル・アッシャー・ジャパン社(以下ジャパン社)が昨年末に設立され、今年2月より営業を開始している。出資比率はナガホリの70%に対してロイヤル社は30%の資本構成で、実質ナガホリ子会社だ。そのため、これまでセイコー社と取引していた宝石販売店は、ナガホリの子会社であるジャパン社と取引することになった。

 ロイヤル社が日本で成長できたのは、名門で品の良いセイコー社が扱ってきたからであり、販売店の営業努力の結果である。そうしたなか、当該ブランドの取り扱いがナガホリ子会社に移行し、戸惑う宝石店もあると言われている。

引継ぎに問題勃発

 ロイヤル社製品を取り扱う福岡の宝石店がある。ところが同店は、ナガホリから「ロイヤル社製品は卸さない」と通告されたという。これまで、同宝石店はセイコー社と親密に取引しており、当然、ロイヤル社の宝石も数多く取り扱ってきた。今回、ジャパン社が設立された際にも、仕入窓口がセイコー社から日本法人のジャパン社に変更されるだけで、取引は継続されるものと思っていた。ジャパン社からの突然の取引除外について、当該宝石店は「考えられない話」と驚いている。また、ジャパン社(ナガホリ子会社)から直接通告されたのではなく、これまで取引していたセイコー社から話があったとのこと。

 当該宝石店は、春の結婚シーズンに向けて、ロイヤル社の宝石類をブライダル全国誌に広告掲載している。当然、掲載には数百万円の費用がかかっており、販売できなければ顧客の信用も失ってしまうと激怒しているのである。同店はジャパン社側が事前に取引しない理由を明らかにし、(同店が)承服できれば、応じる用意もあったとしている。

 当該宝石店は、スペインやイタリアの有名宝石ブランドも取り扱っており、事前に判明していれば、今春のブライダル向けの広告にロイヤル社製品をわざわざ掲載する必要も無かったとしている。同店は毎期利益を計上しており、税金も納めていることから与信管理面での問題でもない。

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