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特別取材

北九州の文化教育を問う COME ON FM(カモン・エフエム)冨永洋一社長
特別取材
2008年10月29日 09:30

海峡が中心のまちづくりもこれからが面白い

関から北九州を見ると
COME ON FM(カモン・エフエム)冨永洋一社長からのメッセージ

スタッフといっしょの冨永社長冨永洋一社長のプロフィール
昭和34年生まれ、下関市出身。大学卒業後、地元の建設会社に就職。その後、独立し、1998年、街の活性化を目指して地域情報局としてのカモンFMを設立。開局時から社長を務める。

Q:今年で開局10年になるそうですね。開局の経緯を教えて下さい。
冨永:建設会社にいた頃から地元のまちづくり活動に関わっていたのですが、独立後は下関商工会議所青年部を母体に活動してきました。
下関をもっと活性化するためには、地域情報を積極的に出す必要があると考え、コミュニティFM局を立ち上げようと、地元企業54社に出資いただき、カモンFMが開局いたしました。

Q:開局からのご苦労も多かったでしょうね。
冨永:「想いは街の活性化」です。全員素人で始めたので本当にドタバタ劇のようでした。放送局の経営や営業の専門家もいませんでしたので、特に営業面では苦労しました。
地元の企業を回っても、ラジオに出稿経験のない企業が多く、初めはなかなか理解が得られなかったのですが、カモンFMは通常の放送局というより、「街の活性化」が目的の局だということを少しずつ理解して頂き、道が開けてきました。
経営者の方々も普段ラジオを聴かない方が多かったのですが、徐々に地元の情報が中心であることが理解され、聴いていただけるようになりました。
「しゃべりのプロ」よりも「地域を愛する人」を中心にスタッフを組み、日々、放送をしております。

Q:前総理大臣安倍晋三さんの奥様、昭恵夫人も登場されていたとか?
冨永:開局当時、彼女の方から、ラジオに協力して頂けるとのことで番組を作ることになりました。内容は、東京で頑張っている下関出身の方にスポットを当てインタビューをしていくというものです。
素性が分かると恥ずかしいからという理由で彼女の愛称のアッキーという名で放送をして頂きました。その後、安倍代議士のご活躍に合わせ、夫人も忙しくなられたので、残念ながら不定期な放送となってしまいました。

Q:放送内容には、どのような特徴があるのでしょうか。
冨永:地域の皆様に役立つ情報が中心です。1人でも多くの方にラジオに登場して頂こうと、1日に30人から40人の方に出演して頂いています。
中でも、「海峡朝焼けスタジオ」という開局以来の番組は、下関市内の保育園、幼稚園の園児に出演してもらっています。もう10年経っていますから、その当時の園児が、中高生になっており、カモンFMを身近な局として認識して頂いております。

Q:北九州に関連した番組はありますか。
冨永:直接北九州を取り上げている番組はありませんが、「Peer Mind 野の花のように」という金曜昼の番組は関門地区の方々をゲストにお迎えして様々なお話を聞いております。北九州在住のパーソナリティーの神保さんも気持ちの暖かい人で感激すると番組中でも涙を流し、リスナーの皆様と共感し合えるハートウォーミングな放送をお送りしております。
この数年、番組の中で「関門」という言葉がキーワードとして頻繁に使われるようになってきたと思います。
また毎年4月に下関と北九州が協力した「維新海峡ウォーク」というイベントもあります。高杉晋作の眠る東行庵をスタートして下関駅までの30km、または門司港駅までの28kmを1万人以上が歩く大イベントです。
当日はスタートからゴールまで生放送で1日中、地域の情報を交えて多くの参加者が歩かれる様子をお伝えしています。

下関が周辺4町と合併、各地で記念サテライト放送実施中!Q:下関のまちづくりの立場から、今後の北九州との関係をどのようにお考えでしょうか。
冨永:私はよく言っているのですが、北九州と下関は、「海峡で遮られている」のではなく「海峡でつながっている」と思うのです。
ひとつの都市圏としてみれば、山陽小野田市まで含む下関側と遠賀、中間、京築を含む北九州側を合わせると180万人になります。山口県の人口はそれより少ない150万人です。
「関門特別市」という行政区が考えられるなら、とても大きな規模になりますし、市場としても可能性が高くなります。

Q:その場合、下関と北九州のお互いの関係はどうなるのでしょうか?
冨永:特別市でどちら側に行政の中心を持ってくるかというような問題は現段階での議論は早いと思いますが、今からできる協力や役割分担はいろいろとあると思います。
例えば、施設面でお互いにないものを補完する。
下関には「海響館」という水族館があり、北九州には到津の森動物園があります。同じ機能の施設を近接した地域に2つ持つ必要性はありません。
海響館の利用料は下関市民には割引があるのですが、北九州の方にも割引を適用すれば、もっと多くの方に気軽に来ていただけます。
私案ですが、北九州には立派な演劇ホールがあるので、演劇の拠点となっておりいい舞台が見られます。
一方、下関は音楽の拠点とするために、音楽イベントに適した施設を作り、北九州の方にいっぱい来ていただく。

Q: 下関は長州人、北九州は九州男児とそれぞれプライドがあり、うまくいっしょにやっていけるでしょうか?
冨永:確かに福岡と山口という行政区の壁だけでなく、昔の藩の意識の違いは大きいかもしれませんね。
しかし実際に毎日これだけの人が仕事で行き来し、通学通勤している人も多くいます。少子高齢化の流れの中で、海峡でつながる経済文化圏としていっしょに将来の計画を描く方が、競争力のある地域として発展すると思います。
私の仕事のラジオ放送などは行政区を超えて情報を伝えていますし、お互いの人と情報の交流で意識の壁も越えられると思います。

Q:インタビューの最後に北九州の方々へのメッセージをお願いします。
冨永:九州の端っこの都市と中国地方の端っこの都市として、それぞれの中心部から離れているというハンデを逆に考えてみましょう。下関は中国地方の中心と言われる広島や岡山よりも、北九州、福岡を身近に感じています。北九州も海峡でつながる下関との間で強力なパートナーシップを築き上げませんか。
日本で発行されている世界地図ではアジア大陸が真ん中にありますが、ヨーロッパやアメリカで発行されている地図は大西洋が中心です。
海峡が中心のまちづくりもこれからが面白いと思います。

取材 松尾潤二


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