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特別取材

(株)福岡中央銀行頭取 末松修 氏(1)
特別取材
2009年7月31日 15:04

福岡県の中小企業専門金融機関としての
使命と役割を果たし、共に発展を遂げる

福岡中央銀行頭取 末松修 氏
 顧客の大部分が中小企業や個人事業主で占める(株)福岡中央銀行は、商人の街・博多を半世紀以上にわたって支え続けてきた。4月より就任された末松修頭取の下、厳しい経営環境下にある中小企業への支援をさらに強化している。就任前にのべ600社以上の顧客を回り、難しいこの時期に舵取りを行なう末松氏に、就任1年目の抱負とその心意気をうかがった。

(聞き手:弊社代表 児玉 直)

所在地:福岡市中央区大名2-12-1
設 立:1951年6月
資本金:25億円

<今回の不況の異様性、実態経済の先行き見えず>

 ―福岡の地元中小企業を回ってみられて、現状はいかがですか。

 末松 今日も八女と久留米を回ってきましたが、長く経営をされているオーナー方が言われるのは、「これまで山も谷もいろいろとあったが、今回の谷は今までに経験がない」と不安に駆られています。「今までにない」、「急にやってきた」、「いつまで続くのか」の3つが、今回の異様な状況のキーワードとなっています。私どものお取引先は、中小企業が91%を占めていますから、皆さんだいたい緊急保証制度で手当てされています。それもあって、資金繰りは間に合っていると答えられる経営者は多かったですね。しかし、「仕事がほしいんだ」と、特に土木業者や建設業者の方々はおっしゃいますね。
 ただ景気指数は、たとえば鉱工業生産では底を打っている、上昇気分になったとしています。だから、日本銀行や政府の見方も「景気は底を打って上昇するだろう」や「脱皮に近い」という表現もされていますが、実体経済は、福岡県内の中小企業にはそこまでの実感はないみたいです。政府などの統計も中堅企業以上の指数を取られていることが多いので、中小企業中心に取ると、また違った見方が出るのではないでしょうか。私どものお取引先中小企業のオーナーが、「そこまでようなっとらんばい。これからどれだけ続くとやろか」と言われていました。たしかに、今年の初めよりも指数はよくなってはいますが、
はたしてその指数通りだろうかと。実感はまだお持ちじゃないですね。

 ―株価も一時1万円台を回復しましたが、各企業の3月期の決算の中身が出揃い、株主総会も開催されます。その結果を受けるかたちで、7月から落ちると見ているのですが。

 末松 大方は5月中旬に3月決算の報告書を出します。もちろん前期に関しては悪い決算内容、今期の見通しに関しても厳しい見方をなされているので、普通一般の方々の間では『5月危機説』が囁かれていました。ところがどっこい、株価はどんどん上がりだしましたね。

 ―急落はしないと思いますが、9,500円前後で値動きすると予想しています。話は中小企業に戻りますが、売り上げを確保しないことには利益は出ません。

 末松 おっしゃる通りです。今のところは資金繰りのメドはついていますが、秋口からはまた厳しくなると予想しています。なぜならば、現在は緊急融資などがついて大丈夫かもしれませんが、仕事がなければ当然借入金の返済もできませんし、会社は存続できません。統計では倒産件数は減っていますが、個人的には秋以降の状況に危惧を抱いています。

 ―取引先の状況を見聞きされていても、収益微増もしくは現状維持というお客さんは5社に1社ぐらいしかないのでは?

 末松 そうですね。大半の中小企業が蓄えを取り崩しながら辛抱している状態だと思います。調子がいい会社は珍しい部類になりますね、残念ながら。昔であれば、まじめに経営していれば粗利は取れていたはずですが、現在では粗利を取ろうにも取れない。そもそも仕事がない。政府でも財政出動させていますが、地方にもすぐに下りてこないと効果がありません。現在、実際に工事などが行なわれているものが安倍内閣時代のものだったりするんですから。今回の財政出動分が地方に下りてくるのは、あと半年か1年先あたりでしょうか。だからこそ、今は辛抱されている企業が多いんです。

~つづく~

【文・構成:八戸 智幸】

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