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蘇るか、"舟運都市・江戸"― 日本橋再生計画―(4)
社会
2012年3月30日 07:00

<「モノづくり」と「コトづくり」>
 地域を再生するにあたって、箱物を作ることに偏りすぎてはいけない。イベントに頼りすぎてもいけない。「モノ」と「コト」をうまくミックスさせ、かつ、地域住民との連携を大事にしなければならない。
 東京駅のすぐ近くという好立地の日本橋。水運の拠点として栄えた江戸期からの伝統の良さを残しながら、世界屈指と言われた往時のにぎわいを取り戻していく。
 「日本橋再生計画」に携わる三井不動産の甲斐氏は「一つの企業ではできません。日本橋の周辺の企業、名橋『日本橋』保存会などの地元団体と協力し合って、イベントをやったり、交流したりして、盛り上げていきたい」と、情報交換の場を作ったり、地権者との交渉ごとなどにも奔走する。

<コミュニティのつながり大事に>
日本橋周辺 今後、都市を活性化させるにあたって、街全体でつながり、コミュニティで一体となった盛り上がりは、欠かせない要素となっていきそうだ。
 甲斐氏は「社会が成熟する中で、重要視するものが変わっている」と指摘する。建物を建て、商業施設を入れるだけでは、人の心に響かない。
 これまでは、産業の発達のために駆け抜けてきた日本経済。バブル崩壊と、世界的な不況、東日本大震災を経験し、街、都市の理想像も変わってきている。地域の良さ、特色を改めて探し出し、その魅力を再構築し、発信していくことがポイントとなる。
 「今そこにあり、そこにずっとあった」地域との"つながり"を大切に、地元の人たちに愛着を持ってもらいながら、そのコミュニティの中での生活の質の向上を目指す方向に向かっていくのではないだろうか。
 三井不動産が地域と一体となって手がける「日本橋再生計画」は、その一つのモデルケースとなりそうだ。甲斐氏は「日本橋をキーに、東京をよくしていくという思いで仕事をしていく心づもり。コンテンツはキラ星のようにたくさんある。発掘して、発信していきたい」と意気込む。
 舟運ネットワークがうまく機能し、羽田空港や東京スカイツリーの間を、舟で行き交うことのできるようになった新生の水運都市・東京を見てみたい。
 

【岩下 昌弘】

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