<日経平均は年初来安値>
4日の東京株式市場で、幅広い銘柄に売りが広がり、東証一部全体の値動きを指数に表したTOPIXは、一時、バブル崩壊後の最安値、09年の月に付けた698・46ポイントを下回った。午後の終り値は、前週末比13・42ポイント安の695・51ポイントと
欧州の信用不安が原因で、再度の円高が進行。東京株式市場は、取引開始後に、売り注文が広がり、日経平均は一時200円以上の値下がり。年初来安値を更新した。
スペインの財政不安などで欧州全体の経済の不透明感が増していることに加え、アメリカの雇用統計が予測以上に悪化。景気減速の懸念が高まった。先週末の米国市場、ニューヨークダウ工業株30種平均が前日比278・88ドル安の1万2118・57ドルと今年最大の下げ幅を記録したことで、それが日本株にも波及し、幅広い銘柄に売りが広がった。終値は144円62銭安の8271円42銭で引け、昨年11月下旬以来の5カ月半ぶりとなる低水準となった。
TOPIXは、東証一部に上場している全銘柄をもとに算出した指数で、東証一部に上場している企業の時価総額とも結び付きを持つ。主力銘柄の中で、ソニーは、株価が1,000円を割り込み、前日比17円安の996円で引け、年初来安値を更新。時価総額では、1兆円を下回った。業績不振が響き、10年3月に3645円の高値を付けて以降、中長期的に下落傾向にある。国際優良株であるキヤノンも連日、下落し、前日比5・15%の2,893円と3,000円台を割り込んでの年初来安値。円高の進行が警戒され、トヨタなど輸出関連銘柄も売られている。
中堅証券会社の関係者は、「アメリカの雇用統計が予想より悪かったため、警戒感が広がった。先週から下げてきていますので、信用で買っている人は、追い証が発生した人もいて、さらに売りが加速している。主力株だけでなく、幅広い銘柄にまで売りが広がったので、TOPIXを大きく下げたのでしょう」と語る。
日本にとっては円高での厳しい環境に加え、欧州の信用不安、アメリカの景気減速など、海外にも懸念材料が多く、世界的に市場が荒れ模様になっている。
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