補助金を受けながら固い財務基盤を持つ福岡食肉市場(株)について報じた。そのほかにどうしても触れなければならないことがあった。同社の関係会社であり、副生物・部分肉・輸入肉の販売・加工などを手掛ける福岡食肉販売(株)についてである。同社の従業員数は150名といい、2008年4月に同社から分離独立した。なお、同社の取締役だった後山繁仁氏は今年5月に辞任、と同時に福岡食肉販売(株)の代表取締役に就任している。
この後山氏は、02年に福岡で起こった日本食品(株)による牛肉偽装詐欺事件で詐欺罪に問われ、福岡地裁から懲役3年、執行猶予3年を受けた日本食品(株)の元社長。民事再生手続きの開始申請から約10年。福岡の食肉業界に218億5,000万円の負債と関連会社数社の連鎖倒産を残していった責任者が、まるで行政から復活のお膳立てを受け、 業界の表舞台に戻ってくる姿は、一般市民の感覚では理解し難いものではないだろうか。
後山氏の、市から補助金を受けている会社代表へのスライドは、官公庁でいうところの「天下り」と言えるものだろう。いくら"ミソギ"を終えたとしてもいまだにポストへの執着を見せるところは、ただ単に権力への執着か、それとも、他に理由があるのだろうか。
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