民主党候補の応援に福岡県入りした野田佳彦首相は28日、福岡市・天神の街頭で演説し、稲富修二前衆院議員(福岡2区)への支援を訴えた。
野田氏は、「日本を前に進めるのか、戻すのかのたたかいだ」と指摘し、「決断し前に進めないといけない。(そうしないと)困るのは子どもたちの世代だからだ」と力説した。
また、「負の遺産が大きすぎて、3年では足りなかった」と反省を述べつつ、「政権交代以前とは風景が違う」として、「『消えた年金』を突き止めて地道に解決し、『(救急患者)たらい回し』『介護難民』が叫ばれた医療のひずみを建て直し、社会保障を1歩1歩改善してきた」と実績を力説した。借金を重ねて公共事業をバラまく政策を批判し、「グリーンエネルギー、医療・健康、農林漁業、中小企業に投資することによって成長を促し雇用を創出する」と訴えた。「子育て支援は、バラまきではなく種まきだ」「経済成長しても国民の暮らしがよくならない昔の政治に戻してはいけない。(公共事業の)バラまきに後退させるのではなく、種まきを前に進めるためにご支援を」とよびかけた。
野田氏は演説の中で、日本未来の党の結成・合流など第3極の動向に対し、「第3極、第4極の動きは、前に進めようとするのか後ろに戻そうとするのかわからないので、コメントしない」と述べた。
政権交代が起きた前回選挙の街頭に比べ、拍手は少なかったが、街頭には約2,000人が集まった。聴衆からは「社会保障を厚くしてもらえると好感触を得た。前回も民主党に期待した。性急に成果を求めてはいけない」(福岡市の主婦、53歳)など、民主党に期待する声が聞かれた。
野田首相の演説に先立ち、稲富氏、松本龍前衆院議員(福岡1区)が「約束したことはまだ道半ば」「野田首相とともに原発に頼らない道を築いていく」などと訴えた。
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