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「自爆民主党解散」シリーズ

次期衆院選 識者の視点(2)~濱口和久氏・第3極の行方
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年11月30日 12:13
日本政策研究センター研究員 濱口 和久

<第3極の混乱は吉か凶か>
 「日本維新の会」と「みんなの党」の合流が見送られた。一方、滋賀県知事の嘉田由紀子氏が「日本未来の党」を結成し、「国民の生活が第一」と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が交流する。
 これによって、自民党、民主党の2大政党に対抗する第3極は、「日本維新の会」、「日本未来の党」、「みんなの党」の3つに分裂する状態になった。

 「日本維新の会」に一時期ほどの勢いがないなか、小沢一郎氏が暗躍する「日本未来の党」も胡散臭い、「みんなの党」もすでに賞味期限が切れかかっている政党であり、今回の総選挙で第3極が「台風の目」となって、大躍進するかは未知数と言えるだろう。
 おまけに3党の候補者が競合する選挙区が相当数あるため、第3極どうしで潰し合いが起これば、漁夫の利で、自民党、民主党が有利になるだけである。

<政党の体をなしていない維新>
hasimoto.jpg 「日本維新の会」の橋下徹代表代行は、単独で衆議院の過半数を超える候補者を擁立するとしていたが、途中で下方修正を行ない、公示を前にしても、当初の目論みが外れて思うように候補者擁立が進んでいない。「太陽の党」から合流した候補者を合わせても過半数の擁立には届かないのが現状である。
 「日本維新の会」には資金がないため、候補者から1人100万円の広報・宣伝費を徴収するという前代未聞の行動にでた。おまけに選挙資金が全額個人負担ということで、最終的に公示日(12月4日)にすべての公認候補者が立候補できるのか不安視されている。すでにいくつかの選挙区では、公認辞退の動きがでている。

 候補者の顔ぶれも素人が大多数で、郵政選挙で当選した小泉チルドレンや前回の総選挙で当選した小沢チルドレンのニの舞となる可能性が十分に考えられる。
 また党幹部となる人間が、比例単独1位や、小選挙区と比例との重複立候補でも比例上位に名簿を登載する予定だが、自分の当選しか考えていない愚かな行為だ。
 橋下氏が「みんなの党」に合流を呼び掛けた際、「候補者が競合している選挙区では、最後はジャンケンで決めればいい」と発言したことも、国民(有権者)を馬鹿にしている態度そのものであり、国民をあまりにも甘くみた(軽くみた)言動そのものである。
「太陽の党」との合併で、石原氏が「日本維新の会」の代表となっているが、相変わらず橋下氏の発言、行動がすべての物事を決めている状態だ。
 つまりは、「橋下党=日本維新の会」だと思っている国民が大多数ではないだろうか。これが政党と言えるものなのか、甚だ疑問である。

<第3極に必要な要素>
 国民の多くは、前回の総選挙で民主党に期待し投票したが、この3年半の民主党の政権
運営に失望し、裏切られたと思っている。
 しかし自民党にも期待しているとも思えない。最新の各種世論調査を見てみると、自民党の支持率が回復しているわけではなく、前号でも触れたが、相変わらず支持政党なしの数が一番多い。自民党も単独では過半数の議席を獲得することは難しい情勢である。
 そこで第3極に国民の期待が注がれてもおかしくないのだが、期待に応えるだけの腰の据わった党(維新・未来・みんな)が1つもないことは残念だ。

 55年体制時代に自民党から分かれた新自由クラブ、平成の時代に入ってからは新党が誕生しては消える状態が繰り返されてきた。今回も選挙結果如何によっては、第3極は再び離合集散する可能性があるが、国民は政治家の勝手な都合による離合集散などまったく興味がない。国民から見れば政党(政治家)の離合集散は、自身の生き残りのためだけとしか映らない。
 第3極に求められるものは、自民党、民主党との違いを明確に説明ができ、あわせて実行可能(実現可能)な政策を具体的に提示することができるのかどうかである。
 「日本未来の党」は「子ども手当」の復活を選挙公約に盛り込むとしている。これこそ民主党の轍を踏むようなものだ。
国民は「民主党のダメさ」から多くのことを学習した。国民の政治に対する目は肥えている。安易なポピュリズムに走るような政策を打ち出せば、最後は国民に見捨てられるだけである。第3極に覚悟はあるや。

(つづく)

≪ (1) | 

<プロフィール>
hamaguti_p.jpg濱口 和久 (はまぐち かずひさ)
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒業。陸上自衛隊、舛添政治経済研究所、民主党本部幹事長室副部長、栃木市首席政策監などを経て、テイケイ株式会社常務取締役、国際地政学研究所研究員、日本政策研究センター研究員、日本文化チャンネル桜「防人の道 今日の自衛隊」キャスター、拓殖大学客員教授を務める。平成16年3月に竹島に本籍を移す。今年3月31日付でテイケイ株式会社を退職し、日本防災士機構認証研修機関の株式会社防災士研修センター常務取締役に就任した。『思城居(おもしろい)』(東京コラボ)、『祖国を誇りに思う心』(ハーベスト出版)などの著書のほかに、安全保障、領土・領海問題、日本の城郭についての論文多数。5月31日に新刊「だれが日本の領土を守るのか?」(たちばな出版、現在第3版)が発売された。 公式HPはコチラ


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