4日公示の衆院選福岡9区(北九州市八幡東区、八幡西区、戸畑区、若松区)は、民主党の前議員緒方林太郎氏と自民党の元議員三原朝彦氏が再び戦う激戦区。日本維新の会の新人荒木学氏、2度目の挑戦となる共産党新人の真島省三氏が挑む。
顔ぶれは変わっても、新日鉄八幡製鉄所などの"労組票"と、自民党が真っ向からスクラムを組んで対決する組織戦の構図は変わらない。過去5回の選挙では、民主党の「4勝1敗」の結果となっている。
「敵は1人だ」。緒方陣営幹部は、第3極の動きは眼中にないと言わんばかり。政権交代後3年余の与党への批判の強さに加えて、組合員数の減少と不安材料を抱える。公示直前の事務所は、危機感がみなぎり、前職といえども余裕がない状態だ。前々回まで福岡9区選出の衆院議員だった北橋健治北九州市長、来年1月の市議選を控えた北九州市議とのタイアップで、再選へ意気込む。
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「続けて2回負けたらアウトだ」。三原氏本人が背水の陣を自覚する。「基礎票も相手が多い」と危機感は大きい。3年3カ月、こつこつと辻立ちし、小集会を重ね、中小企業、高齢者とひざを交えて話をしてきた。「三原党」と言われる、父・朝雄氏以来の支持層が世代交代しても若手経営者らが引き続き支援しているのが強みだ。ポスターの「ミハラはバカマジメに日本の未来を考える」のキャッチコピーも陣営内の若い層の発想。三原氏自身が「いいバイ。やってみよう」と乗った。公明党との選挙協力も整った。
緒方氏と三原氏の組織戦を軸に、第3極がどちらの票を多く食うかが結果に影響を与える。維新新人は、みんなの党の推薦も得たが、組織も知名度もない一方、対抗する共産新人は元県議の実績と組織票を持つため、無党派層の取り込み、批判の「受け皿」争いも熾烈になりそうだ。
【9区・立候補予定者】
緒方林太郎(39) 民主・前
三原 朝彦(65) 自民・元
荒木 学(47) 維新・新
真島 省三(49) 共産・新
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