2024年04月25日( 木 )

「制震」の新発想、低コストで住まいを地震から守る~(株)リスペクト・ウェーブ

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「BOSHIN(ボウシン)」<

「BOSHIN(ボウシン)」

 熱交換塗料、カニ殻由来のエコ塗材、木質繊維断熱材など、特長のある建築資材を施工・販売している(株)リスペクト・ウェーブ(本社:福岡市早良区)。今年4月に発生した熊本地震とその余震が今も住民生活を脅かしているなか、九州では同社だけが取り扱う商材が注目を集めている。その商材とは、繰り返し発生する地震の震動エネルギーを吸収する高い制震性能を低コストで実現した、火打ち金物「BOSHIN(ボウシン)」だ。

 建物全体の強度を固める「耐震」、建物に揺れを伝えないようにする「免震」とは異なり、振動エネルギーを制御装置で吸収するのが「制震」。「構造材に負担をかけずに粘り強く揺れに抵抗し、減衰し形状を復元する」というコンセプトで開発された「BOSHIN」は、厚さ5mmのステンレス板3枚がバネの形状となった構造。3枚バネの縮みや伸びの作動を制御することで震動を抑える。また、構造材の四隅に設置することで円の形状を成し、復元力を発揮。この復元力が震動で歪んだ建物を元に戻す。

 熊本地震では、2度の大地震とその後の余震の頻発で、多くの建物にダメージが蓄積された。建物は1度歪んでしまうと、自らの重さで変形がますます大きくなり、さらに繰り返し起きる余震によって、倒壊する恐れが高まる。4月14日の前震に続き、同16日の本震で建物の被害が一気に拡大した。「BOSHIN」は動的試験で+200mm、-200mmの揺れに耐えることが確認されており、揺れを約30%軽減。繰り返しやってくる余震にも制震効果を発揮する。

取付例(公式カタログより)※クリックで拡大 取付例(公式カタログより)
※クリックで拡大

 「BOSHIN」のもう1つの特長は利便性の高さだ。「BOSHIN」の導入にかかる費用は坪単価1万円を下回る。場所を選ばないコンパクトな耐震補強であり、施工時間も短く、さまざまな間取りに合わせた自由な補強が可能。新築からリフォームまで幅広く対応できる。また、材質は、高い防錆効果のあるステンレスなのでメンテナンス不要。低コスト高パフォーマンスを実現した。

 「地震に強い家とは、必ずしも耐震等級が高い家ではなく、繰り返す揺れに耐えられる家です。さらに言い換えれば真に地震に強い家とは、被災時の修理費用が少なく、再生活がスムーズにスタートできる家ではないでしょうか」と同社。同社ホームページでは、「BOSHIN」の各種試験データや構造の解説などが詳しく掲載されている。

【山下 康太】

▼関連リンク
・リスペクト・ウェーブ公式HP

 

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