2024年04月16日( 火 )

福岡市が「働く人の介護サポートセンター」を開設

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働く人の介護サポートセンター<

働く人の介護サポートセンター

 福岡市で7月1日、「働く人の介護サポートセンター」が開所した。近年、家族を介護するために離職をよぎなくされる介護離職が社会問題となっている。なかには、介護保険制度の仕組みをよく理解していないために必要もなく仕事を辞めてしまう人も多いという。こうした社会的損失を未然に防ぐことがセンターを設置した目的であり、福岡市介護福祉課は、「介護は個人ではなく、社会全体で取り組むべき問題。1人で抱え込まないでほしい」と呼び掛ける。

 介護離職の背景には国の「施設から在宅へ」という方針がある。年々増加する社会保障費を抑える目的から、国は費用の掛かる施設利用からコストを抑えられる在宅介護の流れを作ろうとしているが、これにより家族の負担が増すという状況が生まれた。家族を介護するために仕事を辞めた人は、国の調査によると2007年から12年までの5年間に全国で44万人。同期間の福岡市では5,400人となっており、このうち女性が84%を占める。

 介護離職した人には収入がなくなったことによる経済的負担も重くのしかかる。これが心身に悪影響をおよぼしてしまい、最悪のケースでは親族殺人にまで至っているという。また介護離職する人の多くは40代から50代の働き盛りであり、企業にとっても損失となっている。国はアベノミクス「新三本の矢」のなかで介護離職ゼロを打ち出しており、福岡市でもこれを受けてセンターを設置した。同市介護福祉課は「天神と便利な場所にあり、仕事帰りや休日でも対応する。自分の生活に合った介護をするためには介護保険制度を知っておく必要があり、まずは相談してほしい」としている。

【平古場 豪】

<働く人の介護サポートセンター>
場 所:福岡市役所本庁舎地下1階(旧旅行相談センター)
時 間:月・水・金曜日は午後0時~同8時、日曜日は午前10時~午後6時(祝日、振替休日、年末年始は休み)
TEL:092-982-5407

 

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