2024年04月25日( 木 )

第99回ライオンズクラブ国際大会を振り返って~座談会(後)

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 6月24(金)~28日(火)の5日間、「第99回ライオンズクラブ国際大会」が福岡市で開催された。海外と日本全国からライオンズクラブの会員約3万5,000人が集った同大会は、福岡市で過去最大のコンベンションとなった。
 国際大会は、本部であるライオンズクラブ国際協会(米国イリノイ州・オークブルック)が主催し、開催国がホスト委員会を立ち上げ、様々なイベントの受け皿を用意する。イベントは、福岡ヤフオク!ドーム、マリンメッセ福岡、福岡国際会議場、ヒルトン福岡シーホークなど、福岡市のコンベンションエリアなどで大掛かりに開催され、ホスト委員会も300名を超える人員で構成された。
 ホスト委員会は、337複合地区(全九州)のライオンズメンバーを主体に集められ、各委員会に配置された。委員会の中でも要職を務めた5人に集まってもらい、「福岡国際大会を振り返って」をテーマに座談会を開催した。

座談会参加者
伊藤 敦子氏(国際役員迎接・渉外副委員長/(株)ドナコーポレーション・会長)
大西 宏治氏(パレード委員長/(株)田川産業・代表取締役)
中川 法人氏(パレード副委員長/シナノ設備(株)・代表取締役)
郷原 茂巳氏(大会式典副委員長/(株)リベルト・代表取締役)
山本 泰輔氏(事務局次長・PR副委員長/(株)石の山本・代表取締役)


 ――大きな事故など、何事もなくて良かったですね。大西さんと中川さんはパレードの担当ですが、25日の本番当日はいかがでしたか。

 中川 福岡県警や福岡市とは数えきれないくらいの協議を重ねましたが、当日は予想外のことがたくさん起こりました。私はパレードのアナウンス担当だったので自分の業務に集中していたのですが、大西さんは緊急電話が鳴りっぱなしでしたね。

パレード委員長・大西宏治氏<

パレード委員長・大西宏治氏

 大西 県警、博多署、中央署や事務局から、クレームの電話が止まりませんでした。大会期間中、海外からの会員は循環型のシャトルバスやチャーターバスで各ホテルからマリンメッセ福岡など他の会場へ移動するのですが、それらは登録が必要で乗降場所の指定があります。しかし当日は、登録されていないバスが乗降場所に入って来ている、指定外の道路で乗降させそれが原因で道路が渋滞になっているなど、クレームの嵐でした。また、パレードは、交通規制の関係で午前10時から午後2時までの4時間以内に終わることが義務付けられていましたが、途中で指定時間内に終わらないかもしれないとの危機感から、準備が整った団体から急遽、割り込みでスタートさせることになりました。この誘導も一大事でした。時間内で終わらなかったら、その時点でパレードはストップで、大失敗になりますから。

 伊藤 パレードは、国際大会のハイライトです。ライオンズクラブ最大のPRとなる重要なイベントなので、大西さんにはプレッシャーをかけまくっていましたが、パレードを見ていた多くの人からは「とても楽しかった」と言って頂きました。本当に無事成功に終わって何よりです。

 ――最後になりましたが、それぞれの総括をお願いします。

 山本 福岡大会は、海外の国際大会になかなか参加できないメンバーにとって、国際大会を経験できる良い機会となりました。国際会長のスピーチを聞いたり、セミナーを受けたりと、国際協会本部の方向性などを身近に感じることができたのではないでしょうか。私達はご来福する皆様に、より満足していただくためにここまでやってきましたが、この国際大会が成功したのかということは当事者なのでよく分かりませんし、実感がないというのが本音です。ただ、「日本はいい国だね」、「福岡は素敵な街だ」、「今度日本へ旅行に来るときは、また福岡を訪れたい」などといった海外の人の声を聞いたとき、心の底から「やってよかった」と思うことができました。

 郷原 福岡での国際大会は2度とないかもしれないと言われているような大会です。貴重な経験をさせていただきました。海外や県外のメンバーとも深く交流できましたし、多くの方とつながりができたことが私にとって財産になりました。

zadankai 中川 パレードの副委員長やブルーインパルス担当など、大役を仰せつかりました。この2年間、事前準備等で大変でしたが、国際大会に携われたことはすばらしい経験になりました。また、フットワークが軽く臨機応変に対応できるメンバーで活動できたことは本当に良かったです。この福岡の魅力を世界各国の皆様に知って頂けたことや、経済波及効果の一助を担えたことを誇りに思います。

 大西 ライオンズメンバーは福岡で4,200人ぐらいですが、今回、福岡国際大会に携わった人たちは、ほんの一握りです。我々は運営に関わることで非常にモチベーションが上がりましたが、国際大会のイベントに参加できず、裏方のそのまた裏方をしていた人もいらっしゃいます。また、関わりたかったのに関われなかった人たちもいらっしゃることを考えたとき、こうやって我々が運営に携われたことは感謝の念に堪えません。今後は、来年のシカゴで開催される100周年の国際大会に向けて、337-A地区がどのように目標をたて活動をしてくのかが課題となります。国際大会に参加できなかった人、関われなかった人に、活躍の場を提供できるチャンスでもあります。福岡大会をメディアに取り上げていただき認知度が上がったところで、どのようにライオンズ会員のモチベーションを上げていくか、市民の皆さまに入会してもらえるかなど、この成果を結びつける努力をしていきたいと思います。

 伊藤 川端商店街のあるお店では国際大会期間中に半年分や1年分の売上があったそうです。和風のお土産品などを置いていたところは、海外のメンバーがたくさん購入してくれたんですね。メンバーが泊まっていたホテルでも、あるお店はランチで食材がなくなり、夜の営業に差し支えたとか。また、タクシー業界もこの期間は潤ったのではないでしょうか。経済的効果が大きかったところは、業種によって結構あるようです。そういった意味でも、国際大会は福岡に大きく貢献できたのではないでしょうか。

(了)
【村重 珠実】

 
(中)

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