2024年04月20日( 土 )

カフェノミクスは第2ステージ!『温泉水』を本格販売へ(前)

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小久保製氷冷蔵グループ(株)九州コクボ

得意先のコンビニのカフェが絶好調!社員一丸となり急成長企業へ

kokubo2 「コクボのロックアイス」の名を聞いたことをある方は多いだろう。今や有名すぎるブランドとなった小久保製氷冷蔵グループのロックアイス。発売から40年を超え、今やコンビニやスーパーで見かけないことがない。『氷を買う文化』をつくったという点においても、同社がこの社会に残した功績は大きい。全国各地に製造系子会社を有し、販売網を構築した同社グループだが、近年、一躍有名となったのは、とあるコンビニエンスストアのアイスコーヒー用の氷を手がけてからだろう。

 今や誰もが知るところとなったこのコンビニカフェだが、ブレイクした2013年夏には、工場を休みなしで24時間フル稼働させたのにもかかわらず、品薄状態を招いたことを経験している。それを教訓化し、工場増設を決意した同社は、翌14年4月には第2工場を稼働させたほか、15年秋には第1工場と第2工場をつなぐ渡り廊下を完成させた。コンビニカフェのために、約2年がかりでリニューアル工事を行ったのである。

 グループで副社長を務め、九州地区での製造販売を行う(株)九州コクボの小久保龍平社長は、この一連の好景気を「カフェノミクス」と命名。そのコンビニが取り扱うコーヒーは13年1月に発売され、同年7月には累計販売数が1億杯を突破した。当初の販売目標は1日1店舗60杯だったが、販売から4年が経過した現在では同120杯と、当初の販売目標の2倍となっている。14年度の累計販売数は7億杯となり、その勢いは止まることを知らない。アイスコーヒーの氷詰めカップの製造を担う同社は、コンビニカフェの飛躍的な広がりに遅れることなく、商品供給できる体制を構築している。また、製造する商品については、常にイノベーションを繰り返し、最高品質を保つことを守っている。

 品質保証に関しては当初から力を入れていたが、品質保証部の責任者として龍平社長が同部の部長を兼任するほどの力の入れようだ。業績が伸びたからといって胡坐をかくことはしない。常にレベルアップを図っている。

総合食品メーカーに向けて業容拡大

 コンビニの躍進にともなって業績も飛躍的に向上したため、同社におけるカフェノミクスは第2ステージに突入したと言えるだろう。12年12月には静岡の一口羊羹、あべかわもちなどの和洋菓子を手がける(株)平田屋をグループ会社とし、事業の幅を広げてきたが、昨年には東京・目黒のスイーツの名店である「OGGI(オッジ)」(本社:東京都目黒区)を新たにグループ会社に加えた。OGGIは東京都内を中心に15店舗展開するスイーツ専門店。同社はもともと通販サイトなどを通じて、北海道工場製造の「大地の歓(よろこび)」ブランドで生チョコを使用したシュークリーム、北海道ミルクレープ、北海道贅沢エクレアなどの冷凍スイーツを販売していたが、今回、東京の有名店をグループ化できたことで今後、事業の幅が大きく広がる。また、今年3月1日にはグループ本社にマーケット戦略会議を設置。今後、各グループの営業責任者らがグループを横断して情報や意見を交換し、商品開発および販売戦略などを行うことになった。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:小久保 龍平
所在地:大分県日田市三ノ宮町2-1798
設 立:1996年8月
資本金:1,000万円
TEL:0973-27-7369
URL:http://www.kokuboice.co.jp

<プロフィール>
kokubo_pr小久保 龍平
1976年、千葉県生まれ。近畿大学九州工学部を卒業後、2000年4月に高知の食品卸「旭食品」近畿支社に入社。02年4月に小久保製氷冷蔵(株)に入社後、常務取締役を経て12年12月に代表取締役副社長に就任。(株)九州コクボでは11年5月に社長に就任した。

 
(後)

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