2024年04月20日( 土 )

楠下理事長は責任放棄 組合員申立になぜかジョイフル社が回答~柳橋連合市場共同組合

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 柳橋連合市場の高口ビルの建て替えをめぐり、立ち退きを強行する(株)ジョイフルコーポレーションのさらなる奇行が発覚した。同時に明らかとなったのは、同共同組合の楠下広師理事長とジョイフル社との密接なつながり。組合員が楠下理事長に宛てた「臨時総会招集」の申立に対し、ジョイフル社が回答するという、ありえない実態が発覚した。楠下理事長が組合員からの申立書を外部のジョイフル社に渡したことは明らか。組合を守るべき立場であるはずの理事長の資質も問われる事態だ。

 10月中旬、高口ビル所有者のジョイフル社が同ビル1階店舗の周りを囲むように、木製の衝立を設置。市場内に通じる生活路のひとつが封鎖されたことで、周辺住民および市場内関係者から不満の声が上がっていることは既報の通り。(詳細はコチラ

立ち上がった店主たち

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生活路は封鎖

 このジョイフル社の行為について、同組合で話し合いをするべく、柳橋連合市場共同組合の組合員22店舗が申立人となり、10月15日付けで楠下理事長を筆頭とする理事会に対し、申立書を送付していることがわかった。

 データ・マックスが入手した申立書には、「封鎖された市場内通路は40年以上、利用客や市場内関係者の生活道路として利用されてきた。近隣店舗からは営業に支障が生じ、利用者からも不満の声があがっている」という内容が記載されている。申立人が求めているのは、組合でジョイフル社の迷惑行為について、どのように対処すべきか話し合うこと、そしてまずその機会を設けることにある。そのため、組合員参加の緊急総会招集のために、まず緊急理事会を開いてほしいというものである。共同組合運営上のルールに基づいた申立であり、組合員の意見を汲み取り、理事長、理事会が対応すべき事案であることは明白だ。

組合員申立書 組合員申立書

予想外の回答に唖然

 4日後の19日、申立人全員に届いたのは予想もしない相手からの文書だった。なぜなら、その送り主が迷惑行為の張本人・ジョイフル社だったからだ。当然、申立人らは不信感を持つ。ジョイフル社にも、そして当然楠下理事長に対しても、である。理事会宛に送った申立書の回答がなぜジョイフル社から来るのか。楠下理事長がジョイフル社に、申立書の存在を明かし、渡していることは明らかである。組合内部の情報を外部に漏らしたことだけでも背任行為にあたる可能性も十分にある。もともと楠下理事長とジョイフル社の関係はこれまでの総会での発言を通じて、「密接である」とわかっていても、今回の行為に申し立てた組合員の受けたショックは大きかっただろう。

 データ・マックスは関係者からジョイフル社の回答文書を入手した。「高口ビル東側敷地について」と題した文書では「当該の『通路』と主張されている敷地は『宅地』である」という旨の主張をしている。そのうえで、「組合員はその『宅地』を長年、タダで利用していたが、当社が高額で土地を取得した。いつまでも他人の宅地をタダで利用するという考えは捨てましょう」と意見を締めくくっている。

 つまり、言い換えれば「所有者は変わった。昔と今は違う。通路はわが社の土地の一部だから、どう使っても文句を言うな」ということだ。法的な見解については、次項で述べるが、申立人の誰一人もこの文書の内容、そして文書送付自体に納得してはいないだろう。
 あくまで申立人らは楠下理事長に聞いているのである。ジョイフル社の佐野代表の見解を聞いているのではないのだ。取材に応じた申立人は「目的はあくまで総会の招集。ジョイフルさんからの回答文書は関係ありません。理事長が申立を無視するようでは、理事長および理事会の責任放棄、職務放棄と見なさざるを得ません」とコメントしている。

ジョイフル回答 ジョイフル回答

 楠下理事長はジョイフル社の回答書によって、組合員を鎮めようという魂胆を持っていたのだろう。その目論見は外れた。申立人として立ち上がった22名の店主は本気である。

【東城 洋平】

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