2024年03月29日( 金 )

地方都市再生の潮流~「第3回福岡の未来構想委員会」開催

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iinkai 14日、福岡商工会議所「福岡の未来構想委員会」の第3回委員会が福岡市内で開催された。同委員会は、文化・芸術・歴史などさまざまな観点から福岡をとらえ、街の未来を考える機会を設けるべく座談会・懇談会を開催しているもの。第3回目となる今回は、東京藝術大学特任教授・伊東順二氏と東京大学教授・出口敦氏に加え、特別ゲストとして独立行政法人中小企業基盤整備機構・理事の田所創氏が参加。田所氏は、これまで地方都市や商店街の活性化に取り組んだ経験を交え、「地方都市再生の潮流」をテーマに講演を行った。

 講演で田所氏は、まず福岡市の都市としての位置づけについて触れ、「観光面や文化面ではまだまだ伸び代がある」と、同市のポテンシャルを評価した。
 次いで、地方都市の中心街の空洞化の要因と再生の方策について解説。地方都市の中心商店街における不動産所有権の細分化が再開発を阻む要因として、不動産の所有と利用の分離による再生手法を提案。地権者が土地を出しやすくするための仕組みや、「まちづくり会社」による都市再生スキームなどを、実際に同氏が手がけた事例の紹介を交えて解説していった。
 後半は、東日本大震災の被災地域における、「まちなか再生計画」の事例などを紹介。「地元に残った需要をかき集めたうえで、“そこに”“いかにして”周辺からの付加的な需要を組み合わせていくかが重要」「きちんとマーケットをリサーチしたうえで、収益還元型の事業を展開していくこと」など、被災地域だけでなく、地方都市での再生事業との共通項などを解説し、講演を締めくくった。

【坂田 憲治】

 

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