2024年04月25日( 木 )

笑顔ある食卓づくりを支える食品メーカー ワクワク、アイデアを商品化

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(株)博多よかろうもん本舗

 工場を持たないメーカー、いわゆる“ファブレスメーカー”を標ぼうする(株)博多よかろうもん本舗。大手小売、食品メーカーなどの加工食品開発を請け負い、黒子的な存在の同社であったが、通販事業部を新たに立ち上げ、新商品を続々と開発している。

27品目フリーのカレー

 新たに開発したのは「アレルゲンフリーで作ったカレー」だ。同社は4年前にも特定原材料7品目(卵、乳、小麦など)を使わないカレーを業務用製品として開発し、福岡県内の大手遊戯施設のレストランに導入、好評を得た。
 その後、アレルゲン7品目フリーカレーは大手メーカーが量販店向けに発売。市場欲求の声が高まるなか、「アレルゲンフリーの食品は価格面においても、もっと手に取りやすいものにしていかなければならない」と原恒彦社長は考えた。どうせ販売するのなら7品目だけでなくアレルゲン27品目すべてを使わないカレーができないか――。そして試行錯誤の末、鶏肉、リンゴ、大豆などの特定原材料に準ずる20品目も使用しない、一般向けの商品開発に成功した。16年9月1日発売となり、通常のレトルトカレーよりやや割高であるものの、量販店および食品卸など各方面からの問い合わせが増加している。

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企業ロゴは食卓をイメージ

 2年前に企業ロゴを一新。テーブルを椅子で囲むデザインで、笑顔ある食卓づくりを演出したいという原社長の思いが込められている。
 原社長は成金饅頭の四宮、博多ステーションフード、やまやコミュニケーションズの営業本部長・社内カンパニーの社長を歴任するなど食品畑を歩んできた人物である。これまで同社は食品メーカーの黒子役に徹してきたが、“1人でも多くの人を食で笑顔にしたい”という思いから通販事業を立ち上げ、今年6月には楽天市場店を開業した。同店ではカレーのほか、大分県産かぼす果汁を使った「かぼす醤油」を発売。今後も取扱い商品を増やしていく方針だ。
 「ワクワクした食卓づくりをしたい」。ユーザーと共に考え、悩み、出たアイデアを商品として具現化する。「依頼主にも、そして実際に食べてくださるお客さまに喜ばれるものを作らなければならない」。そのようなアツい思いから、鳥取県産のビーツを使ったピンクカレー、ダイエットジムで提供される糖質ゼロスイーツといった商品を開発。市場にない新たな商品を作り、他社ではできないことを実現してきた。加工食品から菓子、冷菓、そしてドッグフードに至るまで、同社を軸としてさまざまな要望に対応できる提携工場があることが強みだ。小粒でも“ピリリと辛い”博多明太子のような存在の同社。企業名と所在地は博多にあるが、全国および世界に向けて、博多弁で「良い」を意味する“よかろうもん”を広めていきたい考えだ。

【矢野 寛之】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:原 恒彦
所在地:福岡市博多区板付4-11-1-116
設 立:2010年11月
資本金:300万円
TEL:092-576-9180
E-mail:info@yokaroumon.co.jp

 

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