2024年04月20日( 土 )

シャフトの動きを理解しよう!

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golf 「クラブに仕事をさせなさい」よくゴルフレッスンで使われる言葉です。しかしこのクラブに仕事をさせるということをきちんと理解しているゴルファーは少ないように感じます。クラブに仕事をさせるというのは一体どういう意味なのでしょうか。

 それを習得するにはスイング中のクラブ、特にシャフトの動きを理解することが重要です。ゴルフクラブのシャフトにはしなるという特性があります。このしなりがスイングスピードを上げ飛距離を生み出す原動力になります。たとえパワーがなくてもシャフトのしなりを上手く使えばロングドライブも夢ではありません。
 ではそのクラブがどのようにしなっているのか?トップからダウンスイングにかけてシャフトは大きくしなります。これを順しなりと言います。この時、グリップが先行して動き、ヘッドはだいぶ遅れて出てきます。いわゆるタメと表現される動きです。
 そして、そのしなりはインパクトの直前に戻され、さらに逆の方向へしなっていきます。これを逆しなりといいます。シャッタースピードの速いカメラでインパクトの瞬間を撮影するとシャフトが目標方向と逆にしなっているのがわかります。インパクトの瞬間に順しなりの状態でボールを打ってしまうとヘッドが遅れてしまうのでボールは右方向に飛んでいきます。いわゆる振り遅れという状態です。飛ばそうと力んで上体を強く動かしてしまうと、シャフトは逆しなりする前に順しなりの状態のままボールに当たります。ボールに正しくエネルギーが伝わらないばかりか、振り遅れてスライスの原因にもなります。

 順しなりで溜まったエネルギーを逆しなりによって一気に爆発させる。これがクラブに仕事をさせるという意味です。鞭をイメージするとわかりやすいかもしれません。鞭が順しなりの状態で当たっても痛くはありません。しかし順しなりから逆しなりになって当たると凄い威力になりますよね。
 ただし、このシャフトの順しなりと逆しなりの仕組みを頭で理解するだけではナイスショットは生まれません。シャフトの動きは頭で計算してできるものではなく、感覚として身につけなければいけないものだからです。そのためには練習するしかありません。このコラムで僕はいつも練習ではボールの行方にこだわらないようにと書いています。練習では自分の身体の動きとシャフトの動きを上手く連動させる感覚を身に着けることが大事なのです。ボールを上手く飛ばすにはインパクトの瞬間にぴしゃりとタイミングが合うことが何よりも重要なのですから。
 僕が生徒さんたちに薦めているのは通常のクラブよりシャフトが柔らかい練習用のクラブでボールを打つこと。シャフトがグニャグニャとしなるので順しなりから逆しなりになる動きがよくわかります。そのクラブで上手くボールが打てるようになると通常のクラブで打った際に振り遅れることも解消できます。
 よく、止まっているボールなのになぜ上手く打てないんだと言われますが、止まっているボールが難しいのではなく、しなるクラブに難しさの秘密があるのです。野球のバットのようにしなりのないクラブなら止まっているボールをいつも同じタイミングで打つことは難しくありません。ゴルフはクラブがしなるから難しい。でもしなりがあるからボールを遠くに飛ばせるのです。

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<PROFILE>
nobukawa_pr信川 竜太 (のぶかわ りゅうた)
1971年3月27日生まれ。(株)スリーバーズ代表取締役。スポーツキャスター、DJ、MC、リポーターとしてスポーツを中心にテレビ、ラジオなどで活躍中。その一方で、ゴルフコーチとしても活動している。信川氏がゴルフの道を志したのは福大大濠高校1学年時。卒業後、フロリダ州ブロワードジュニアカレッジに入学(のち、フロリダ・リン ユニバーシティーに編入)。在学中、トーナメントでタイガー・ウッズの上位に入る結果を残した。2006年1月に(社)日本プロゴルフ協会 PGAゴルフティーチングプロの資格を取得。10年10月、福岡市東区多の津にスポーツ塾を開講した。

 

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