2024年04月20日( 土 )

「学校運営」と「主婦業」両立のキーワードは子どもたちとのコミュニケーション(前)

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(学)宮田学園 理事長 宮田 智栄 氏

 日本最大規模の学生数を誇る西日本国際教育学院を運営する(学)宮田学園の理事長で、3人の子どもを育てる母親でもある宮田智栄氏。夫である宮田道郎学園総長を傍らで支え、ビジネスと家庭での主婦業を両立させてきた同氏に、仕事のこと、家族のこと、さまざまなお話をうかがった。

4年制大学創設へ大きく動いた1年

 ――2016年を振り返って、どういう1年でしたか。

宮田 智栄 理事長

宮田 智栄 理事長

 宮田理事長(以下、宮田) 学校法人としては、2016年の1年間で、4年制大学「国際貢献大学(仮称/設置構想中)」の新設という目標に向けて、大きく動いた1年でした。この1年間で何度となく東京の文部科学省を訪れて、事務折衝を重ねてきた結果、ようやく今年10月に開校申請、2年後の2019年春に開校という流れが整いました。

 昨年暮れには、候補地の1つであるうきは市を訪ね、髙木典雄市長と面会しました。市内にはちょうど廃校になったばかりの高校の校舎もあるということで、視察もさせていただきました。今年は秋の開校申請に向けて、大詰めの作業に入っていく予定です。

 (学)宮田学園には現在、2年制の国際貢献専門大学校と、日本語学校の西日本国際教育学院があります。西日本国際教育学院のほうは、学院長として5年が過ぎましたが、一貫して、学生の心のケアに力を入れてきました。日本に初めて来る若者は大きな不安を抱えてきます。決して生活が豊かな学生ばかりではありません。かつては、日本と母国の文化の違いからか、近隣住民の方たちとトラブルになることも多く、学校にクレームをいただいたり、時には、警察沙汰になったりすることもありました。

 しかし、粘り強く学生たちと接することと、学校の仕組みや制度づくりを変化させてきたことで、ようやくここにきて、近隣の方々とのトラブルもほとんどなくなり、警察沙汰になることはゼロになりました。5年間、学院長として試行錯誤してきた結果が出てきていることが嬉しいです。

 ――プライベートではいかがでしたか。

miyata2 宮田 3人の子ども(長男、長女、次女)のうち、予備校に通っていた長男が昨年春、念願の医学部に入学し、長女が慶応義塾大学に合格しました。長男のほうは、東京で医学部を目指すために勉強の毎日でしたが、2カ月に1度ぐらいは様子を見に行っていました。予備校の先生と面談したり、生活状況を把握したりと、離れて暮らしていても母親としてできる限りの生活のフォローはやってきたつもりです。受験の日も、朝から電話を入れて緊張をほぐしてあげたので、ベストな状態で本番に臨めた結果、良い結果を出せたと思います。子どもたちの顔色を常に注意深く観察して、信頼関係をつくり、精神的な支えになってあげることが重要なのではないかと思っています。

 長女のほうは、小学校5年生で初めて台湾に短期留学させました。それから、イギリス、カナダ、アイルランド、シンガポール、インドネシア、アメリカと、高校3年生になるまで、ホームステイや語学研修だけでもかなりの国に送り出しました。家族旅行と合わせると、12カ国にのぼります。早い段階から、自分の娘を「グローバル化」させてみて、「これからの時代は国際化教育が重要だ」ということを体現してきました。さらに、2人の娘には幼いころから剣道を習わせているので、精神的な鍛練にもなってきたのではないかと思います。

(つづく)
【杉本 尚丈】

■INFORMATION
所在地:福岡市南区塩原4-17-17
TEL:092-541-8450
URL:http://miyatagakuen.ac.jp

 
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