2024年04月19日( 金 )

地銀の金融再編待ったなし~第四銀行と北越銀行が経営統合へ

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 新潟県の第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)が経営統合する方向で最終調整に入ったことが、16日分かった。4月に基本合意し、2018年春を目処に統合を目指すことになりそうだ。統合の形態は共同持ち株会社を設立して、2行が傘下に入る方式を検討している。将来的には2行の合併も予想される。
 別表の通り、第四銀行と北越銀行は「本日の一部報道について」として「現時点で決定している事実はない」とそれぞれ発表しているが、ほぼ間違いなく、経営統合することになるものと見られる。
下表は単純に合計したものであるが、連結総資産では中国銀行の8兆5,458億円(16年12月期)に次いで地銀第16位の規模になる。

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両行の経営統合について

 両行の12年12月期の経常利益はともに▲30%台となっている。当期純利益も大きくマイナスとなっており、この傾向は来期も続くものと予想される。
 昨年2月にふくおかFGと十八銀行は経営統合することで基本合意したと発表。半年延期となっているが、今年2月には三重県の三重銀行と第三銀行。3月にはりそなHD傘下の近畿大阪銀行と三井住友FG系列の関西アーバン銀行・みなと銀行(兵庫県)の3行が系列を超えて経営統合することを発表。これに第四銀行と北越銀行が続けば、この1年あまりで4件となる。
 急速に進む金融再編は昨年1月29日に日銀が実施した「マイナス金利政策」が地方銀行の経営を直撃しているからだ。【表2】を見ていただきたい。

この表から見えるもの

・東北6県の地方銀行15行の経営成績である。このうち17年3月期の通期純利益が前期比プラスを予想している銀行はわずかに3行しかなく、また第3四半期決算を見ると前期比プラスは1行しかない状況だ。特に東日本大震災の影響が甚大な福島県の地方銀行の収益状況は、一層厳しくなっているのが読み取れる。
 九州地銀が金融再編の火薬庫であることに変わりはないが、今まで経営統合では「無風地帯」だった東北地方が新たに加わることになり、「地銀の金融再編待ったなし」の流れは一気に全国展開することになりそうだ。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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