2024年04月20日( 土 )

空気から水を生み出す、最新技術のニーズは全世界に

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、3月17日付の記事を紹介する。


 空気から水を造る機械の開発が盛んになってきた背景には何があるのだろうか。実に驚くべき事実であるが、「大気中には大量の水分が含まれており、その量たるや地球上のすべての河川に流れる水の量より8倍以上も多い」ということ。そのため、湿度が30%以下でも、このウォーター・ミルは十分水分を吸収し、飲み水に変えることができるという。全自動の湿度感知器がついているため夜明けの最も湿度の高い時期に効率的に水分を吸収できるようになっている。

 すでにアメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリアでは販売が始まっている。日本でもすでに特許申請が認められているという。そこで、気になるお値段であるが、1機1,200ドル。アメリカでは人気が高いというが、果たしてどこまで日本人の味覚に合った水を提供してくれるものか。日本ではペットボトルが普及しており、こうした造水機の需要はまだそれほど大きくはなさそうだ。

 とはいえ、アメリカのサンフランシスコ市ではペットボトルの使用を職員に対して禁止するという条例を可決したほどだ。水不足に対する対策の1つであるが、今後、日本にも波及しないとは限らないだろう。

 そうした傾向を踏まえ、カナダのウォーター・ミルに負けてはならじと、アメリカのエックス・ジエックス社も空気から飲料水を造る機械を完成させ、市場に売り出すことになった。1ガロンの水を作るのに10セントの電気代がかかるが、この機械も空気中の汚れやほこりをフィルターで除去し、浄化処置をした後に飲み水に変えることができるという。

 「あらゆる種類の空気から水を作り出し純粋で安全な水を生み出す」というのがうたい文句になっている。このエックス・ジエックスの販売戦略は一般の水道水が生物化学テロに襲われるといった非常事態を想定したものに他ならない。水道水が安全とはいえ、その水源地に有害物質が投入されたり、地震や災害で水道管が破裂するようなケースを想定し、空気中から必要な飲料水を確保しようという危機管理の発想である。日本には欠けている発想であろう。

※続きは3月17日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第57回「水と空気に秘められたパワーを活かした最新技術(後編)」で。


著者:浜田和幸
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