2024年04月24日( 水 )

西南学院大学ワンダーフォーゲル部部員が登山者を救出

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 4月29日(土・祝)は第4回脊振山系山開きでした。5年の年月をかけて、脊振山~金山~井原山~雷山~十方山までの脊振山系に道標270本の設置が完了しました。その記念行事として4年前から早良区は金山、糸島市は井原山と雷山の隔年で同時開催しています。
 早良区役所と脊振の自然を愛する会が開催する山開きは毎年、金山(967m)です。 第4回目となる今年は天候もよく登山日和で、山頂は多くの登山客で賑わっていました。

 10時41分、山頂にいた私の携帯と学生のスマホに、高齢の男性登山者が滑落して怪我をしていると連絡が入りました。坊主が滝登山口から金山山頂を目指していた西南学院大のワンゲル部員からでした。また私の知人の登山者ショップのUさんからも連絡がありました。怪我の状況を聞くと、頭を4センチほど切って血を流している、意識はあるとのことでした。
 責任者である私は、現場にいた男子学生を1人付き添わせ、山頂にいた男子学生2人に救急箱と予備の無線を持たせて現場に向かわせました。程なく現場に到着した学生から「すでに血はとまっていて歩ける」との報告がありました。自力で下山可能と判断した私は、学生たちに付き添って下山するように指示しました。上空には通報を受けた防災ヘリが舞っていましたし、登山口付近には救急車とレスキューの車両3台が来ているとの連絡も入りました。登山ショップのUさんも、学生3人と共に怪我人に同行して下山したようです。
 12時46分に、Uさんから「救助に登って来たレスキューに引き渡しました」と連絡が入りました。
 翌朝の西日本新聞には「早良区役所主催の山開きで参加登山者が滑落し足の骨を折る」との内容で小さな記事になっていました。
 早良区役所主催なので、電話による新聞社の取材攻勢がすごかったと聞きました。内容は行政の責任追求をするものばかりで、西南大のワンゲル学生が救助に一役買ったことは記事にもなっていません。マスコミの姿勢が良く判ります。
 私たちは山開き1週間前に、下見を兼ねて倒木処理など登山道の整備と、山開きのタグを付けて安全対策をしながら山開きの準備をしています。
 登山者は体力とスキルに見合った山を選んで山登りを楽しんで欲しいものです。
 今後、現場にいち早く駆けつけた学生たちと、現場検証に行く予定です。

2017年5月2日
脊振の自然を愛する会 代表 池田友行

 

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