2024年04月20日( 土 )

強い輝きを放った松山選手~ゴルフ全米OP選手権

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 早朝からテレビ画面に釘付けだった今年のゴルフ全米オープン選手権。松山英樹選手が日本人初のメジャーチャンピオンに輝く瞬間を楽しみにしていたゴルフファンは多かったことでしょう。結果は惜敗の2位でしたが最終日の猛追はすばらしかったですし、メジャータイトルが松山選手の手の届くところまで近づいて来ていることを改めて感じさせてくれました。

 世界のトップクラスにも引けを取らない飛距離を生み出すパワー、アプローチやパットのショートゲームで見せる柔らかなタッチ。松山選手はまさに剛と柔を高いレベルで併せ持つ素晴らしい選手です。またアイアンショットの正確さはツアー屈指と高く評価されていますが、そのあたりは日本人ならではの気質である几帳面で細部まで完璧に完成度を高めようとする職人魂を感じて誇らしく思います。

 松山選手がこれまでの日本人プロゴルファーと一番違うところはそのショット力(飛距離と精度)です。日本人選手は小技のうまさでは世界のトップ選手の中でも高いレベルにありましたが、ショット力はなかなかトップレベルまで達することができませんでした。

タイガー・ウッズが登場して以降、アメリカツアーでプレーする選手たちの能力は目覚ましく進化しています。アメリカツアーのトップレベルで活躍を続けるには科学的に裏付けられたゴルフに必要なトレーニングを専門家の指導のもと行うことが欠かせない時代になっています。そしてこれまでは主にシーズンオフにやっていたトレーニングをシーズン中でも休まない選手が増えてきています。そうやってトレーニングをすることで圧倒的な飛距離と精度の高いショットを打てるようになりました。ただでさえ肉体的に恵まれている欧米の選手たちが高度なトレーニングをするようになると日本人選手たちとの差は広がるばかりです。

 しかし松山選手はしっかりとトレーニングを取り入れてアメリカツアーでも通用するショット力を身に着けました。アメリカに渡って4年、まさにプロフェッショナル・ゴルフアスリートに進化しています。日本にいた時から高かったショット力をさらに磨いて世界のトップを狙えるレベルに達した松山選手はいつメジャータイトルを獲ってもおかしくない存在になりました。

 それにしても最近のトップレベルの飛距離は凄いですね。300ヤードのドライバーなんて普通。650ヤードを2オンしてくるのですから。ゴルフというスポーツは新時代に突入していると感じています。ゴルフ人口は年々減少していると言われています。若い人にゴルフを勧めても「ゴルフはおじさんのスポーツだから」なんていう言葉が返って来ます。確かにそういうイメージは昔からありますよね。でもそんな人たちにこそトップレベルのゴルフを見てもらいたい。きっとゴルフに対する印象も変わるはずです。

 今の時代、「ゴルフはおじさんのスポーツ」と認識するのは間違いです。正しくは「ゴルフはおじさんでも楽しめるスポーツ」なのです。今回の全米オープンのトップ10には松山選手を始め20代の選手が7人もランクインしていました。これからの戦いに向けてライバルは多いですが、松山選手は強い輝きを放ちながらその円の中心で存在しています。

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<PROFILE>
nobukawa_pr信川 竜太 (のぶかわ りゅうた)
1971年3月27日生まれ。(株)スリーバーズ代表取締役。スポーツキャスター、DJ、MC、リポーターとしてスポーツを中心にテレビ、ラジオなどで活躍中。その一方で、ゴルフコーチとしても活動している。信川氏がゴルフの道を志したのは福大大濠高校1学年時。卒業後、フロリダ州ブロワードジュニアカレッジに入学(のち、フロリダ・リン ユニバーシティーに編入)。在学中、トーナメントでタイガー・ウッズの上位に入る結果を残した。2006年1月に(社)日本プロゴルフ協会 PGAゴルフティーチングプロの資格を取得。10年10月、福岡市東区多の津にスポーツ塾を開講した。

 

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