2024年04月20日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~夏の訪日中国人観光客は150万人に達する

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中国人の海外人気旅行先に変化

 2017年の夏休み海外旅行で一番人気があるのはどこか。新しい人気目的地はどこか。
 旅行予約サイト・携程旅遊がこのほど発表した「2017年夏季海外旅行ランキング」をみると、今年の中国人観光客の夏季海外旅行の傾向が変化しており、多くの伝統的人気目的地が新興の目的地に取って代わられていることがわかる。また今夏は3,000万人が海外に出かけ、過去最高を更新することが予想される。

 同ランキングによると、今年の夏季海外旅行で最も人気の目的地は上から順に、タイ、日本、シンガポール、米国、香港地区、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ロシア、フィリピン、モルジブ、イタリア、台湾地区、英国、ドイツ、カンボジア、オーストラリア、アラブ首長国連合、フランス、澳門(マカオ)地区となっている。

 携程旅遊事業部の施聿端・最高マーケティング責任者(CMO)の説明では、「昨年に比べ、今年の夏季海外旅行の目的地では、タイ、日本、シンガポールがトップ3に並び、昨年2位の韓国は上位50位に入れなかった。多くの島を擁するタイが『人気の王様』で、昨年に続いて一番人気の目的地になった。タイに行けばグルメやスローライフを楽しめる。マレーシアのサバ州、ベトナムのバリ島、フィリピンのボラカイ島やボホール島などに大勢の中国人観光客が押し寄せるとみられ、島々でのリゾートやレジャー、シュノーケリングやダイビングなどのプログラムが中国人観光客の間でますます人気を集めている」という。

 中国人観光客が韓国に行かなくなると、元々人気のあった日本が代わりの目的地になり、特に日本政府がマルチビザ(数次査証)の発行に際して所得水準や訪日経験などの要件を緩和したことから、中国人観光客の日本旅行熱が大いにかき立てられ、日本は2番目に人気の目的地になった。
 日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによると、2016年夏に中国人の訪日観光は過去最高を更新して、7~8月に140万人以上が日本を訪れたという。携程旅遊は、今年の夏の訪日観光客は150万人に達すると予想する。

中国人観光客の海外での消費が減少

 世界観光機関(UNWTO)が先ごろ発表した報告書によると、中国人観光客の2016年の海外消費総額は12%増の2612億ドルにのぼり、13年連続で2桁の成長率を記録した。米コンサルティング会社がこのデータをさらに分析したところ、中国人客の海外ショッピングが観光支出全体に占める割合は、2015年の41%から2016年の33%に低下し、8ポイントも落ちていることが分かった。海外ショッピング消費額と、その海外観光支出全体に占める割合が同時に低下し、中国人客の海外ショッピングの意欲低下という重要な傾向が浮き彫りになった。

 中国人客の海外旅行目的ランキングを見ると、「ショッピング」は2015年の2位から2016年の3位に下がり、「観光」と「レジャー・娯楽」の下につけた。これは中国人客の海外観光がより理性的になり、以前に比べ質の高い旅行をするようになったことを、客観的に反映しており、他国の自然景観と名所旧跡の観光、異郷の風土と文化の体験をより重視していることが分かる。このように中国人にとって海外旅行は単なる「ショッピング旅行」ではなく、視野を広げ人生の体験を充実化させる機会となっている。

 「爆買い」に別れを告げ、海外旅行を旅行そのものに回帰させる。これは中国人客が自国ブランドの消費に、自信をつけていることを反映している。


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