2024年03月29日( 金 )

【2017衆院選・佐賀1区】退路を断った原口一博氏、覚悟の「無所属」が奏功

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

原口 一博 氏

 22日午後8時。原口一博氏の選挙事務所内に設置されたテレビは、時報と共に選挙速報を流し始めた。直後、画面に映し出されたのは「原口一博氏当確」のテロップ。思いもよらない早い当確に戸惑いながらも、会場内は歓喜に包まれた。対抗する自民前職の岩田和親氏らを破り、8選を決めた瞬間であった。

 開票前、原口氏の関係者は「相手はあの自民党で、対してこちらは無所属。過去からの支持基盤があったとはいえ厳しい戦いとなりました」と語っていた。前回の衆院選では原口氏と岩田氏との得票数の差は約2,500票の僅差で原口氏が逃げ切った。今回は無所属で挑む原口氏に対し、自民党の組織力を背景にした岩田氏はさらなる接戦を演じることが予想されていた。だが、蓋を開けてみると原口氏は10万5,487票、対する岩田氏は7万8,972票と2万6,515票の大差がついた。

 原口氏は当初、希望の党の公認候補として立候補の予定だったが、公示の3日前に公認を辞退。無所属となり、まさに退路を断った格好となった。この「筋を通す」行動が浮動票の取り込みに影響を与え、野党支持票の結束を招いたと思われる。原口氏は「皆様への感謝の一言しかない、草の根で結んだ絆での勝利」と述べた。

 一方の自民・岩田氏は当初から苦戦を強いられ、連立与党・公明党の支援を受けていたものの、無党派層への支持を広げることができず、小選挙区での議席獲得には至らなかった。岩田氏は「私の力不足。申し訳ありませんでした。結果を厳粛に受け止める」と敗戦の弁を述べた。岩田氏は比例復活での当選が確定している。

【総選挙取材班】

 

関連記事