2024年04月19日( 金 )

太宰府市政、市長と新市議会早くもすれ違い

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芦刈 茂 市長

 福岡県太宰府市の芦刈茂市長は4日、前日に投開票された市議選の結果を受け、記者会見を開いた。当選した議員全員が芦刈茂市長への不支持を表明しており、12日に開催される市議会定例会初日で不信任案が決議されることが確実な情勢となっている。

 市議会は10月27日に行われた臨時議会で、市長に対する不信任案を可決。これに対し、芦刈市長が同30日に議会を解散したことで今回の市議選が行われた。不信任案が再提出された場合、全議員の3分の2以上が出席し過半数が賛成すれば可決となり、市長は自動的に失職する。

 芦刈市長はこうした状況を踏まえ、「選挙期間中、複数の候補者が(芦刈市長の考えである)中学校の完全給食化や行財政改革について訴えていた。そこは私と共通の認識を持っていると思う」とし、「議会が始まる12日までに共通認識を持っている議員に働きかけ、残り約1年半の任期を全うしたい」と述べ、不信任案の提出を回避していく考えを語った。

 市長が会見を行う一方で、同日、市議選で当選した新議員に対する事務連絡会議が行われた。12日からの定例会が控えているため、当選後の手続きなど事務的な連絡以外に市議会の方針も話し合われたという。

 出席した議員に話を聞くと、「決議案の作成や提出者などの細かい部分はこれから詰めていくが、12日に不信任案を提出することは決定した。市長が定例会までに働きかけを行うと発言しているが、なぜそれを辞職勧告案や不信任案のときにやらなかったのか。あと1週間で本当に説得できるとは思えない」と話した。

 早くもすれ違いが決定的となった市長と新市議会。市長が失職した場合、市長選は来年1月に実施される見通し。芦刈市長は失職した場合、市長選に出馬する意向を示している。

【犬童 範亮】

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