2024年03月29日( 金 )

当てるべきか振るべきか。それが問題だ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 まるでシェークスピアのハムレットのセリフみたいなタイトルですが、ゴルフをプレーする際にぜひ考えて頂きたい大事なポイントです。ゴルフスイングにおいてボールに当てることを意識するか、クラブを振ることを意識するかはナイスショットを放つ際にとても重要な考え方の分岐点になるからです。

 通常、ボールがどれくらい飛んだとか、どこに飛んだということがクローズアップされるので、ゴルフではボールを打つということに意識がいきがちですが、ゴルフは「ボールを打つ競技」ではなく「クラブを振る競技」だと考えるべきです。クラブを振って、そのスイング軌道の途中にボールとコンタクトするポイントがあるのです。クラブを振るというのは自分が行う動作ですが、ボールに当たるか当たらないかはあくまでもスイングをしたことの結果です。動作は自分でコントロール出来ますが、結果をコントロールすることは出来ません。ですからボールを狙った所に打つためにはクラブをどのように振るかということが一番大事なポイントです。でも多くの悩めるゴルファーはそのことを理解していないように思えます。

 クラブを振ることよりもボールに当てることを優先していませんか?ボールに当てようとすると振ることを忘れてしまいます。素振りはとてもきれいなフォームなのにいざボールを打つとフォームが崩れてしまう人はそのタイプです。いわゆる「ボールに打たされている」状態です。とくに遠くへ飛ばそうとして思いっきりボールを強く叩きにいくと上体が突っ込み、素振りの時とは別人のスイングになってしまっています。

 ではどのように考えるべきか。それは至ってシンプルです。とにかくクラブを振ることだけを意識するのです。遠くに飛ばしたければできるだけ速くクラブを振るのです。ボールを強く打つのではありません。強く叩こうとすると大きな力が必要でそれが力みになります。一方で速く振るためには上半身の力を抜かなければいけません。もし飛距離に強さが求められるのなら、「インパクトの衝撃は何トンです」と表現していたでしょう。しかし飛距離を表す指標はスピードしかありません。また、クラブを速く振るには正しい腕の使い方を身につけなければいけません。腕を使ってクラブを振りましょうというと、それだと手打ちになるじゃないかと思う人もいますが、その手打ちができない人が多いのです。手と腕以外にクラブを振れる体のパーツはありません。いくら腰をうまく使っても腕の使い方が悪ければその腰の動きは台無しになります。

 もちろん最終的にはでんでん太鼓のように体の回転に沿って腕が動くスイングが理想です。しかしその理想のスイングに近づくためにはまず正しい腕の振り方を身につけることが絶対条件です。新しい生徒さんが来ると僕はまずそこをチェックします。もし出来ていなければたとえシングルの腕前であっても徹底的に腕の使い方を身につけてもらいます。体の使い方はその後です。まずはクラブを振ること!ボールをきれいに打とうとして、スイングの一番大事な要素を軽んじないでください。

 「ゴルフはゴフル(振る)」と考えて!

▼関連リンク
・NBFスポーツ塾

<PROFILE>
nobukawa_pr信川 竜太 (のぶかわ りゅうた)
1971年3月27日生まれ。(株)スリーバーズ代表取締役。スポーツキャスター、DJ、MC、リポーターとしてスポーツを中心にテレビ、ラジオなどで活躍中。その一方で、ゴルフコーチとしても活動している。信川氏がゴルフの道を志したのは福大大濠高校1学年時。卒業後、フロリダ州ブロワードジュニアカレッジに入学(のち、フロリダ・リン ユニバーシティーに編入)。在学中、トーナメントでタイガー・ウッズの上位に入る結果を残した。2006年1月に(社)日本プロゴルフ協会 PGAゴルフティーチングプロの資格を取得。10年10月、福岡市東区多の津にスポーツ塾を開講した。

 

関連記事