2024年04月21日( 日 )

過去最大の宇宙ゴミが地上に落下予定!2018年3月は要注意!(後)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年3月9日付の記事を紹介する。


 「天宮1号」の重さは8.5tほど。宇宙船としては小型な部類に入る。過去、ロシアのMIRが2001年に落下したが、重さは120tであった。しかし、これはロシアが完全にコントロールし、安全な海域に落下誘導させた。また、アメリカのNASAが打ち上げたSKYLABは74tで一部制御不能となり1979年に落下した。しかし、こちらもアメリカが何とか誘導に漕ぎ着け、被害をもたらすことはなかった。

 間近に迫った「天宮1号」はたしかにロシアやアメリカの宇宙船と比べれば8.5tの重さで軽い。それでも、地上10階建てほどの高さである。ということは850キロから3400キロ程度の機体の一部が地上に衝突するという計算になる。
たしかに人に当たる確率は少ないだろうが、必ず落下してくるわけで、不幸な2人目にならない保証はない。その意味では、来る3月から4月はとくに注意する必要があるだろう。東京のような大都市に落下すれば、その被害は甚大となる。うかうか花見に興じていられない。

 しかも、「天空1号」が使っているロケット燃料は「ヒドラジン」と呼ばれており、人体には極めて有害といわれる危険な代物である。なぜなら、これは発がん物質にほかならないからだ。
アメリカのNASAを始め、各国政府の宇宙関連機関では「万が一、落下物を発見した場合には、絶対に近寄らないこと。そして噴霧物を吸わないこと」といった注意勧告を発令している。こうした有害物質を燃料として使っているため、地上からの迎撃ミサイルで打ち落とすことはできない。ヒドラジンを拡散させることになるからだ。秒速7キロという猛スピードで落下することも迎撃を難しくしている。

 これまで過去50年間に各国が打ち上げたロケットや衛星の数は膨大で、現在、地球の軌道上には約50万個と目される「宇宙ゴミ」がさまよっている。こうした宇宙ゴミは年間500個近くが地球に落下しているのである。ということは毎日1個ないし2個のロケットの破片が落下している計算になる。これほど危険なゴミはない。

 幸いなことに、大半は大気圏に再突入する際に燃え尽きている。大きなものは地上からの誘導で南太平洋の「宇宙ゴミの墓場」と称される「ポイント・ネモ」に落下するようになっている。周辺には人の住む島もないため安全な場所とされる。というのも、宇宙開発に関する国際条約で、ロケットや衛星を打ち上げた国が責任をもって、耐用年数を過ぎた自国の飛行物体を安全な場所へ落下誘導させることを義務付けられているからだ。アメリカもロシアもこの墓場を活用していることはいうまでもない。

※続きは3月9日のメルマガ版「過去最大の宇宙ゴミが地上に落下予定!2018年3月は要注意!(後編)」で。


著者:浜田和幸
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