2024年04月20日( 土 )

大手ゼネコンからの信頼も厚い老舗企業 専門工事業の地位向上にも取り組む(前)

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(株)スギヤマ

南極での昭和基地整備も

 福岡市東区多の津に社屋を構え、とび・土工を中心に福岡の土木・建築を支えてきた(株)スギヤマは創業から80年を越える地場老舗企業である。杉山英治社長は2010年に3代目として代表取締役に就任。会長となった秀彦氏とともに、60名の社員を束ねている。かねてより清水建設、戸田建設など複数の大手ゼネコンの名義人として、県内外の大型物件を手がけてきた。数々の施工実績が業歴と信用を証明している。高速道路や橋梁、教育施設の耐震補強工事に始まり、ホテル、マンション、公共施設の躯体工事など専門工事を手がけている。一際目を引くのは、国立極地研究所からの依頼で、南極の昭和基地の整備を手がけたこと。単なる紹介だけで舞い込んでくるような話ではなく、品質や信用の高さが評価されてのことである。
 一口に「とび・土工」の仕事といっても、さまざまだ。足場組立、重量物の運搬配置、工作物の解体、くい打ち、コンクリートにより工作物を築造するコンクリート工など多岐に渡る。型枠・鉄筋工事との連携が必須であり、調整役という意味合いも強い。建造物の躯体が出来上がるまでは、気を抜けない仕事である。
 1937年に杉山組を個人創業。当時の主な業務はとびで、人を送るだけの仕事が多かったという。転機は北九州市小倉の現場だった。北九州市に親族が経営する建設会社があり、手伝ってほしいとの要請があって、応援に出向いた。その現場で出会ったのが、とあるスーパーゼネコンだった。その後、佐賀県の食品工場建設現場でも声がかかった。そうしていくうちにスーパーゼネコンとの関係が深まっていった。施工管理の厳しいスーパーゼネコンとの付き合いが長いだけに、同社は品質管理に自信を覗かせる。長期に渡り取引が続くのは、スーパーゼネコンの要求に応え続けてきたためだ。品質の維持、向上はもちろんのこと、杉山会長は社員に「安全に1日の仕事を終え、笑顔でウチに帰ろう」と言い続けている。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:杉山 英治
所在地:福岡市東区多の津4-5-13
設 立:1962年4月
資本金:2,000万円
TEL:092-611-0200
URL:http://www.sugiyama-g.co.jp

<プロフィール>
杉山 秀彦(すぎやま・ひでひこ)

 佐賀県生まれの73歳。大学進学で上京。1970年に(株)杉山組(現・(株)スギヤマ)に入社。79年、34歳で代表取締役に就任。2010年に代表交代し、会長へ。専門工事業の地位向上、待遇改善のため、複数の公職リーダーとしても活躍している。

(後)

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