2024年04月19日( 金 )

40年にわたり高機能松の実種子を供給~日本三晶製薬(株)(後)

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数多くの機能性を解明、国内外で特許も取得

▲五葉松の種子の実から搾油したオイル

 機能性研究については昭和大学との研究によって、松の種子殻には松笠と類似した細胞障害物質、マクロファージ活性化物質、制癌性多糖類、ヒト骨髄性白血病細胞をマクロファージ様細胞に分化誘導する物質が含まれていることがわかっている。また、名古屋市立大学との共同研究で五葉松の種子殻抽出液から、抗腫瘍や抗ウイルスなどの、さまざまな機能を確認。日本獣医大学と共同でHIV、インフルエンザ、ヘルペス、ロタウイルス、細胞分裂の促進、抗菌・抗ウイルス、抗腫瘍についての作用についての研究成果が論文で報告されている。

 松の実オイルついては、九州大学との共同研究で、動物試験によるコレステロールの低下や、血圧上昇抑制、肝脂肪の低下が確認されたほか、昭和大学と共同で、細胞増殖による老化予防への示唆、広島大学名誉教授の鹿山光氏との共同研究では、アトピーやアレルギー疾患の抑制に関する作用機序についての研究成果が論文、各学会で報告されている。

 また同社では、商品開発や研究成果を基に、松の実にかかわるさまざまな特許を取得。1983年に硬殻種子殻破砕装置での取得に始まり、87年には、抗感染物質の抽出方法および利用法で世界15カ国(日本、米国、ドイツ、フランス、中国、台湾、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ベルギー、スイス、イギリス、イタリア、オランダ、韓国)で取得。同年に果物の種子の殻から酸性多糖類を抽出し病気を予防する方法」として取得。96年には抗感染症剤として、97年に松の実油を利用した食品添加物として認められた。98年に抗エイズウイルス剤、02年には抗ウイルス剤として特許を取得している。

用途に対応した原料をラインナップ

 さまざまな機能性をもつ松の実由来原料。同社ではたしかなエビデンスや特許取得を基に、殻エキスと松の実オイルを混合した機能性素材「松種子エキスSPNブラック」を主力原料として、30年以上にわたり供給するロングセラー商材となっている。このほか、飲料用オイル「ゴールドパイン」は、松の実種子から搾油した天然100%ピノレン酸含有の「飲む美容オイル」、天然100%のモンゴル産松の実原料を供給。用途や剤型に応じた原料をラインナップ。PB・OEMにも対応する。

 今後の事業展開として、海外進出に注力している。15年11月、タイで「日本三晶タイランド」を設立したほか、17年7月には「日本三晶モンゴリア」を立ち上げた。松の実原料につぐ機能性素材の取り扱いとして、既存のオーストラリア産エミューオイルや青森県産の鮭鼻軟骨由来プロテオグリカン、国内では稀少なモンゴル産の天然サジー原料および商品の供給展開を図るとしている。

 このほか同社では、「バリアフーズ」と呼ぶ、啓発活動を推進しており、「化学的に生産された薬ではなく、できるだけ自然で安全な食品を摂取することで抵抗力や免疫力を高め、ウイルスや細菌などの体への脅威を「バリア」する力を高めることを目的に、さまざまな製品において提供していく」としている。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
日本三晶製薬(株)
所在地:愛知県名古屋市北区楠4-818(本社)
TEL:052-909-5556
FAX:052-903-1970
業務内容:健康関連商品の製造・販売
URL:http://www.matsu-kichi.com/

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