2024年04月25日( 木 )

三井と三菱 旗艦ブランド九州初進出 福岡に新風を吹き込む大型商業施設

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キッザニアが九州初進出

 2016年2月に閉場し、その跡地活用をめぐって協議が重ねられてきた福岡市博多区那珂の「青果市場跡地」。その再開発事業予定者に、三井不動産(株)(東京都中央区)を代表企業とし、ほかに九州電力(株)と西日本鉄道(株)とで構成されるグループ(以下、三井不動産グループ)が決定した。

▲全体鳥瞰イメージパース
(福岡市提供)
▲「花のエントランス」イメージパース
(福岡市提供)

 三井不動産グループの提案内容によると、「出会いの広場~そして次の景色へ~」をテーマに、新しい賑わいや新しいビジネス、新しいコミュニティの広がりを生み出していく“出会い”にあふれる広場空間を目指すとしている。「花」と「森」をテーマとする2つのエントランスの配置により緑の創出が行われるほか、多機能な10の広場、スポーツパークなどを整備。導入される機能・空間としては、九州初進出となる子ども向けの職業体験施設「キッザニア」のほか、体験農園「アグリパーク」や福岡九州の食材を集積する「福岡フードマーケット」などが提案されている。建設される主な建物は、地上6階建・延床面積13万9,010m2の本体棟・オーバル棟、地上4階・延床面積1万2,560m2の別棟、駐車場棟など。周辺の交通環境への配慮として、新規バス路線を新設したうえで大規模バスターミナルが整備されるほか、自動車交通混雑の緩和のために、敷地後退による道路拡幅も盛り込まれている。

 代表企業の三井不動産は、「今回の青果市場跡地活用事業については、地域の拠点となり得る貴重で大規模な用地開発と認識しておりますので、弊社だけでなく、九電さんと西鉄さんも含めた3社のコンソーシアムで、福岡市の都市の成長に貢献できるように頑張っていきたいと考えております。また今回の提案では、キーワードとして『出会い』を掲げさせていただいておりますが、地域の方々が集う、コミュニティ形成の場としての商業施設を展開していきたいと思います」(広報部)と意欲を見せる。なお、一部報道で商業施設が「ららぽーと」になると報じられている件については、「可能性はゼロではありませんが、現時点で決定しているものではありません」とコメント。

 市の担当課である住宅都市局跡地活用推進部計画課も、「事業予定者が決定し、福岡空港や博多駅に近接する8haを超える敷地規模を生かしたまちづくりが進められていくこととなります。地域も利用できる多彩な広場を始め、魅力的な機能や空間も提案されており、今後、南部地域の顔として地域や福岡市の魅力向上に寄与することを期待しております」と期待を寄せる。

 今後のスケジュールは、今年12月に議会に議案を上程したうえで議決後に契約を結び、その後、19年3月の土地引き渡しを予定。施設の開業予定は2021年度末となっている。

11月にはMARK IS開業

 一方、三菱地所(株)(東京都千代田区)が福岡市中央区地行浜で開発中の商業施設「MARK IS 福岡ももち」は、今年11月21日に開業を予定している。同社が開発する商業施設の旗艦ブランドである「MARK IS」としては3施設目となり、西日本では初進出。開発コンセプトは「モモチゴコチ~まいにちも、とっておきも~」で、シーサイドももちの立地を生かしつつ、周辺エリアと一体となった街並みや臨海エリアとしての空間づくりを行い、地域のランドマークとなる施設を目指していくとしている。店舗面積は約4万8,000m2で、全163店舗のうち新業態が9店舗、福岡県初出店が44店舗となっている。

 また、隣地では三菱地所レジデンス(株)(東京都千代田区)、積水ハウス(株)(大阪市北区)、西日本鉄道(株)が共同で開発を手がけるツインタワーマンション「ザ・パークハウス福岡タワーズ」(WEST棟、EAST棟:各地上28階建・各292戸)が建設中。三菱地所グループとしては初の取り組みとなる、大型商業施設と集合住宅とが一体となった複合開発プロジェクトとなっている。

▲「MARK IS 福岡ももち」全体街区完成予想イメージ

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 これらの新たな商業施設が進出してくることで、福岡に“新たな風”が吹き込まれ、周辺地域だけでなく市全体の魅力向上にもつながっていくだろう。こうした動きが市内事業者も刺激し、福岡都市圏のさらなる活性化が進んでいくことを期待したい。

【坂田 憲治】

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