2024年04月25日( 木 )

生涯介護のいらない人生で最期まで親の尊厳を保つ~人間は動物です

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日中特殊鍼法研究会会長 長尾治療院院長 長尾 良一 氏

 ▲長尾 良一 氏

 動物は読んで字の如し動く物、動く事によりベストな状態を保つようにできています。従って筋肉を使うことが最も重要です。筋肉の収縮弛緩を繰り返すミルキングアクション(乳搾り)により静脈血が動き、運ばれます。この事が動脈血を送り出す心臓を楽にして血圧を安定させることにつながります。

 また、骨に負荷をかけることにより筋力に耐えうるようにと骨密度を増し、骨が丈夫になるのです。筋肉をしっかり使うことによってエネルギーを消費します。

 従ってエネルギーを補給するために胃腸が怠けず、もたれる事なく働き、消化吸収が良くなり便通も良くなります。また、腸内環境も改善されます。腸内フローラの善玉菌が増え、悪玉菌が減ることによって悪玉菌が出すガスの発生が抑えられ、毒素による障害はなくなります。悪玉菌が出す毒素は命にかかわることも少なくありません。

 筋肉を使うことが脳の活性化にもつながります。筋肉を使うことが身体のすべてを活性化させることにつながり、生命を維持していく上で最も重要な役割をはたしているのです。血液を動かしリンパを動かし、「気」をも促すことになります。

 そこで普段、私が指導している体操の基本、初歩的な運動の一部を切り取り、紹介します。

自分でもできる健康寿命を延ばすための秘策

 1:足首運動
 足首を内回し数回、外回し数回ゆっくり大きく動かす。
 両脚同時に行うと動作が速くなり動きが小さくなります。しかし無理は絶対にしないようにお願いします。

 2:足首から先を前屈数回、背屈数回動かす。
 これらの運動は腓腹筋・ヒラメ筋などの第二の心臓と呼ばれる(ふくらはぎ)を動かすことになります。

 3:五本の指を開いたり捻じったり、グー、チョキ、パーのような動作に加え対側の足を使い、塗り絵のようにくまなく撫でてさすり、こする。
 指先から太腿まで無理をせずできる範囲で行う。前、後、内側、外側を数回ずつ行う。

 この運動によりリンパ静脈血、さらに気の流れを促すことになります。足の内側には肝臓、脾臓、腎臓につながる気の流れがあり足の外側には胃、胆のう、膀胱につながる気の流れがあります。従って臓器、臓腑を元気にする働きがあります。

 わずかこれだけの運動ですが、これらの運動を行う為には下半身全部を使うことになります。
 なぜなら全身の筋肉の約70パーセントが下半身にあるからです。

 4:仰向きで両膝を曲げて片足を反対側のふくらはぎを乗せて膝からアキレスに掛けてこすり合わせます。

 5:両側の膝を曲げ左右に揺する運動をします。
 このときは力を抜いて行ってください。

 6: 両側の膝を曲げた状態で少し足を開き、腰を持ち上げるような動作をします。
 このとき肛門、膣を締めるようにすることがコツです。無理をせずに緊張させるだけでも継続することで結果は得られます。

 7:うつ伏せでお腹をピッタリ床に付けて左右に腰揺らしの運動をします。 

 これらの運動は横に寝転んでできる運動であり、朝起きたときのわずか5分、10分でもよく、寝て行う事により心臓に負担をかけません。さらに寝る前にも行えば寝付きも良くなり夜中の頻尿の改善が見込めます。

 下肢への刺激はむくみ、冷え症、便秘を改善、利尿を促し生理痛、生理不順、尿漏れなどにも効果があります。
 これに腹式呼吸を加えることにより、寝付きがよく質の高い睡眠が得られ、より一層の疲労回復や、心地よい目覚めを得ることができます。この場合の腹式呼吸は吸気を短く、呼気を長くすることが重要で、副交感神経を優位にして血圧を安定、消化を促す、便通を良くする効果がさらに大きくなります。

 初歩的な呼吸ですがぜひ実践してほしいと思います。

■長尾治療院
代 表:長尾 良一
所在地:佐賀県唐津市西城内6-7
設 立:1980年
URL:http://nagao-chiryouin.jp/
E-Mail: nagao@ia8.itkeeper.ne.jp

<プロフィール>
長尾 良一(ながお りょういち)

1949年福岡県生まれ。手技療法の大家であった父・松造氏の後を継ぎ、長尾流の手技と独自の鍼灸治療で現在に至る。日中特種鍼法研究会会長。

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